パーキンソン病歩行への聴覚的刺激の影響

「目的」パーキンソン病患者においてリズムに合わせて歩行訓練を行うと有用であることが知られている. 今回我々は, 行進曲等の音楽が歩行に与える影響を歩行動作解析にて検討した. 「対象と方法」当院入院および通院中のYahr stage IIIの患者2名, stage Iの患者1名(平均年齢68.7歳). まず個々の患者の歩調に合わせた音楽を音楽療法士に調整してもらった(同質性原理). 歩行を無刺激-音楽を流す-無刺激という条件下で行い20m付近(2m区間)を三次元動作解析装置で測定. その後訓練として音楽を聴きながら毎日30分歩行してもらい, 2週間後再解析した, 音楽刺激による歩行への即時効果と...

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Hauptverfasser: 日野創, 西尾真一, 山口明
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」パーキンソン病患者においてリズムに合わせて歩行訓練を行うと有用であることが知られている. 今回我々は, 行進曲等の音楽が歩行に与える影響を歩行動作解析にて検討した. 「対象と方法」当院入院および通院中のYahr stage IIIの患者2名, stage Iの患者1名(平均年齢68.7歳). まず個々の患者の歩調に合わせた音楽を音楽療法士に調整してもらった(同質性原理). 歩行を無刺激-音楽を流す-無刺激という条件下で行い20m付近(2m区間)を三次元動作解析装置で測定. その後訓練として音楽を聴きながら毎日30分歩行してもらい, 2週間後再解析した, 音楽刺激による歩行への即時効果と訓練効果を検討した. 「結果」2週間の訓練を行った2名の患者において, 関節角度変化がいずれの関節においても増大した. 平均関節角度変化率((音刺激後角度変化-前角度変化)/前角度変化)の関節部位での差は, アームスイングを反映する上肢の関節で大きかった. また, 1名については前傾姿勢が著明に改善した. 音楽刺激の即時効果をより鋭敏に拾うため関節の角速度, 角加速度も調査したがはっきりした効果は認められず, 視覚性の代償効果と相違があると考えた. 「考察」今回, 音楽を聴かず歩行訓練のみをした患者群を対照とした調査は実施しておらず, 今後の課題と考えている.
ISSN:0034-351X