失語症者の社会復帰について

日常生活は自立しても, 失語症者の復職は大きな問題となる. 今回我々は, 発症以前になんらかの職に従事していた失語症者に対し復職状況を調査した. 「対象と方法」症例は脳卒中が原因の失語症例51例(平均48.2歳)である. ブローカ失語(B type)15例, ウエルニッケ失語(W type)8例, 全失語(G type)9例, 健忘失語(A type)14例, 伝導失語(C type)5例である. 全例Barthel Indexで80点以上. さらにWAIS-Rの中の動作性知能(PIQ)を測定した. 「結果」PIQ値は, B type:91.9(+/-11.4)W type:700(+/-14...

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Hauptverfasser: 渡辺修, 宮野佐年, 冨田祐司, 木村知行, 星野寛倫, 船越政範, 大橋正洋
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日常生活は自立しても, 失語症者の復職は大きな問題となる. 今回我々は, 発症以前になんらかの職に従事していた失語症者に対し復職状況を調査した. 「対象と方法」症例は脳卒中が原因の失語症例51例(平均48.2歳)である. ブローカ失語(B type)15例, ウエルニッケ失語(W type)8例, 全失語(G type)9例, 健忘失語(A type)14例, 伝導失語(C type)5例である. 全例Barthel Indexで80点以上. さらにWAIS-Rの中の動作性知能(PIQ)を測定した. 「結果」PIQ値は, B type:91.9(+/-11.4)W type:700(+/-14.5), G type:64.3(+/-9.9), A type:84.5(+/-11.7), C type:85.2(+/-11.0)であった. 現職復帰もしくは職種変更での復職群は, B type:6例(40%), W type:1例(12.5%), G type:0例(0%), A type:9例(64.3%), C type:3例(60%)であった. PIQ値は, 復職群(22例)90.5(+/-9.8), 授産施設もしくは作業所群(14例)73.9(+/-16.4), 更生施設入所もしくは自宅退院群(15例)73.3(+/-14.0)であった. 「まとめ」失語症のタイプおよびPIQ値は復職の可能性を判断する上で有益な情報を与えると思われた.
ISSN:0034-351X