骨粗鬆症の運動療法は長期になると効果が減弱する

「目的」男子大学生を対象とした調査で, 骨に衝撃力を与える運動がPeak bone massを高めるのに有効であることが判明した. そこで, 同様の運動が高齢者の骨量減少に対してはどのような効果を示すかを3年間にわたり追跡し検討した. 「方法および対象」ボランティアとして参加を承諾してくれた中高年女性を希望により運動群(62.8±6.4歳, η=33)とコントロール群(62.8±7.1歳, η=56)に分けた. 運動群には「四股踏み」や「かしわ手」など骨に衝撃力あるいは荷重力を与える運動を指導し, 週に1回の運動教室を開催し実施状況のチェックを行った. 年に1回, DXAにて骨塩量を測定すると...

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Hauptverfasser: 小池達也, 平田繁, 大川得太郎, 岡本崇, 佐藤哲也, 大槻伸吾
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」男子大学生を対象とした調査で, 骨に衝撃力を与える運動がPeak bone massを高めるのに有効であることが判明した. そこで, 同様の運動が高齢者の骨量減少に対してはどのような効果を示すかを3年間にわたり追跡し検討した. 「方法および対象」ボランティアとして参加を承諾してくれた中高年女性を希望により運動群(62.8±6.4歳, η=33)とコントロール群(62.8±7.1歳, η=56)に分けた. 運動群には「四股踏み」や「かしわ手」など骨に衝撃力あるいは荷重力を与える運動を指導し, 週に1回の運動教室を開催し実施状況のチェックを行った. 年に1回, DXAにて骨塩量を測定するとともに, 運動群においては運動能力の変化も観察した. 「結果」腰椎骨塩量は両群ともに3年間では減少傾向を示したものの, 有意な低下を認めなかった. 傾向としては, コントロール群では最初の年から減少傾向を認めたが, 運動群では2年目以降に減少傾向を認めた. 大腿骨骨塩量は両群とも有意な変動を認めなかった. 一方, 燒骨骨塩量はコントロール群では3年間にわたり有意な減少が観察された. 運動群においては最初の1年は有意な減少を認めなかったが, 3年後には有意な減少が観察された. 運動能力は最初の1年には向上を認めたが, 以降は変化を認めなかった. 「考察」我々の運動療法は短期的には効果を示したが, 長期的にはその効果が減弱した. 運動様式・強度・期間などを再評価したい.
ISSN:0034-351X