健常成人の膝関節屈曲伸展角度判定別能に与える開始肢位の影響

「目的」健常成人の膝関節屈曲伸展角度判別能を測定し, 開始肢位の違いが角度判別能に与える影響について検討した. 「方法」男性8名, 女性5名, 平均年齢40.1±14.6歳(23~75歳)の健常成人13名を対象に閉眼椅座位にて位置合わせ法による膝関節の角度判別能を測定した. 測定課題は他動的に設定された右膝関節に左膝関節を他動的に合わせることとするが, 開始肢位は両膝とも最大伸展位から開始するEEモード(以下EE)と, 両膝とも下垂位から開始するFFモード(以下FF)の2通りとした. 設定角度は完全伸展位を0°とした時の30°, 45°, 60°の3種類とした. 設定角度・合わせ角度の測定は東...

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Hauptverfasser: 藪越公司, 岩谷力, 関和則, 漆山裕希, 石塚雅治, 上せつ子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」健常成人の膝関節屈曲伸展角度判別能を測定し, 開始肢位の違いが角度判別能に与える影響について検討した. 「方法」男性8名, 女性5名, 平均年齢40.1±14.6歳(23~75歳)の健常成人13名を対象に閉眼椅座位にて位置合わせ法による膝関節の角度判別能を測定した. 測定課題は他動的に設定された右膝関節に左膝関節を他動的に合わせることとするが, 開始肢位は両膝とも最大伸展位から開始するEEモード(以下EE)と, 両膝とも下垂位から開始するFFモード(以下FF)の2通りとした. 設定角度は完全伸展位を0°とした時の30°, 45°, 60°の3種類とした. 設定角度・合わせ角度の測定は東大式角度計を用いた. 各設定角度につき7回ずつ測定し, 統計学的検討を加えた. 「結果」EE,FFそれぞれについて各設定角度から合わせ角度を引いた誤認角度の実測値の平均値および標準偏差は, 30°(2.6±3.6°, -3.1±5.2°), 45°(3.8±4.4°, -1.6±4.1°), 60°(3.7±6.0°, -0.2±3.5°)となり, 同一設定角度ではモードの違いにより誤認角度に有意差が見られた. またEEは設定角度よりも伸展位に, FFは屈曲位に誤認し, 開始肢位から設定角度に至る手前に合わせる傾向が見られた. 開始肢位から設定角度までの角度変化量が大きくなるにつれ, 誤認角度も大きくなった. 「考察」他動的に位置合わせを行う場合, 誤認の大きさや方向性は設定角度自体に特有のものではなく, 開始肢位から設定角度に至るまでの運動方向と角度変化量に依存するものと思われる.
ISSN:0034-351X