脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能

脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能については, 健常者に比較し低下しているとするいくつかの報告がある. 今回我々は磁気式動作解析システム3S WINを用いて, 脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能について検討した. 「対象と方法」当院でリハビリテーション施行中の脳卒中片麻痺患者11名(男性6名, 女性5名, 平均年齢60.7±11.4歳, 平均罹病期間107.6±33.5日)と健常者10例(男性5名, 女性5名, 平均年齢57.2±5.11歳)の上肢動作解析を行い, 比較した. センサーを右上肢燒骨遠位端, 上腕骨外側上顆, 肩峰, 第7頸椎棘突起上の4カ所に固定し, 座位, 胸骨剣状突起と臍部...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1999, Vol.36 (11), p.746-746
Hauptverfasser: 長谷川千恵子, 猪飼哲夫, 植松海雲, 殷祥沫, 佐々木信幸, 宮野佐年
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能については, 健常者に比較し低下しているとするいくつかの報告がある. 今回我々は磁気式動作解析システム3S WINを用いて, 脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能について検討した. 「対象と方法」当院でリハビリテーション施行中の脳卒中片麻痺患者11名(男性6名, 女性5名, 平均年齢60.7±11.4歳, 平均罹病期間107.6±33.5日)と健常者10例(男性5名, 女性5名, 平均年齢57.2±5.11歳)の上肢動作解析を行い, 比較した. センサーを右上肢燒骨遠位端, 上腕骨外側上顆, 肩峰, 第7頸椎棘突起上の4カ所に固定し, 座位, 胸骨剣状突起と臍部の中点の高さの机上で, 右手母指球を机上の目標点2カ所に接触, 2秒毎に往復させた. 「結果」肘関節の可動範囲は健常者と患者に差はなかった. 最大肘関節角速度は片麻痺患者に遅い傾向が認められた. 肩峰のセンターの5秒間での移動距離は, 患者37.1±8.1cm, 健常者29.8±7.7cmと, 片麻痺患者は有意にセンターの移動距離が大きかった. 「まとめ」1)脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能について, 磁気式動作解析システムを用いて検討した. 2)健常者に比較し, 片麻痺患者は有意に非麻痺側肩峰の動揺が大きかった. 3)脳卒中片麻痺患者の非麻痺側上肢機能は, 完全な健側とはいえないことが示唆された.
ISSN:0034-351X