ゲルストマン症候群を呈した肝性脳症患者の1例
ゲルストマン症候群を呈した肝性脳症患者を経験したので報告する. 「症例」22歳, 女性, 営業職. 1999年4月18日深昏睡で発見され, 肝機能酵素が高度に上昇していたため急性薬物中毒による劇症肝炎と診断され即日入院となった. いったん意識清明となったが4月21日には再び深昏睡に陥った. 頭部CTでは浮腫を生じていた. 5月6日には全身状態が安定し高次脳機能評価に関してリハビリテーション(以下, リハ)依頼となった. 「リハ初診時評価」ゲルストマン症状として手指失認, 左右失認があり, 計算問題では繰り上がり, 繰り下がりができず, 自発書字ができなかった. 「リハ経過」訓練後40日にて手指...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | ゲルストマン症候群を呈した肝性脳症患者を経験したので報告する. 「症例」22歳, 女性, 営業職. 1999年4月18日深昏睡で発見され, 肝機能酵素が高度に上昇していたため急性薬物中毒による劇症肝炎と診断され即日入院となった. いったん意識清明となったが4月21日には再び深昏睡に陥った. 頭部CTでは浮腫を生じていた. 5月6日には全身状態が安定し高次脳機能評価に関してリハビリテーション(以下, リハ)依頼となった. 「リハ初診時評価」ゲルストマン症状として手指失認, 左右失認があり, 計算問題では繰り上がり, 繰り下がりができず, 自発書字ができなかった. 「リハ経過」訓練後40日にて手指の模倣および指示動作が可能となった. 60日目に漢字の書き取りも可能, 4桁の加減乗除算も可能となった. 「考察」肝性脳症から回復したと思われる症例でも高次脳機能障害は数ヵ月にわたって残存する可能性がある. これに対しては再教育のためのリハが有効である. |
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ISSN: | 0034-351X |