北海道におけるポリオ罹患例の現況調査

「目的」昭和35年北海道夕張市に発生したポリオは全道に広がり, 当時ポリオと診断されたものは約1,600名, 後遺症として肢体不自由を残したものは推定972名と報告されている. ポリオ後後遺症として, 脚長不同, 二次性変形性関節症, 脊柱側轡症などに対して治療が行われてきたが, 全道を対象とした現況調査は行われていない. 今回アンケート調査を行ったので, その結果の概要を報告する. 「対象」年齢, 性の明らかな183名の結果を集計し分析した. 「結果および考察」性別は男性97名, 女性86名で, 年齢構成は50歳代が77名と最も多く, 現在の障害の程度は1級30名, 2級58名, 3級33名...

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Hauptverfasser: 横串算敏, 成田寛志, 石井清一, 内山英一, 佐々木鉄人, 松山敏勝
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「目的」昭和35年北海道夕張市に発生したポリオは全道に広がり, 当時ポリオと診断されたものは約1,600名, 後遺症として肢体不自由を残したものは推定972名と報告されている. ポリオ後後遺症として, 脚長不同, 二次性変形性関節症, 脊柱側轡症などに対して治療が行われてきたが, 全道を対象とした現況調査は行われていない. 今回アンケート調査を行ったので, その結果の概要を報告する. 「対象」年齢, 性の明らかな183名の結果を集計し分析した. 「結果および考察」性別は男性97名, 女性86名で, 年齢構成は50歳代が77名と最も多く, 現在の障害の程度は1級30名, 2級58名, 3級33名, 4級34名, 5,6級が16名と高度の障害を持つものが多かった. 手術歴があるものは112例で学童期に多数回受けているものが多かった. 障害部位の筋の中等度以上の疲れは128名にみられ, 同時に疼痛を自覚するものは36名であった. 高血圧, 糖尿病などの生活習慣病で治療を受けているものが43例, 膝関節症が21例, 股関節症が8例, 腰痛症が17例で, 総じて筋, 関節の症状が多くみられた.
ISSN:0034-351X