多発性硬化症に難治性精神症状を合併した1例
「症例」31歳女性. 平成8年両足先のしびれで発症, その後再発を繰り返し, 計4回ステロイドパルス療法を受けたが, 痙性対麻痺・四肢体幹の協調運動障害・失調性言語・眼振・頭部を除く全感覚障害・排尿障害を残した. 「経過」平成10年7月頃よりリハビリテーション(以下, リハ)意欲がなく, 心因反応を疑われ平成11年4月当院転入院. 非協力的で, 高次脳機能評価は難航し, WAIS-RはPIQ45未満, VIQ56, 歩行訓練も平行棒内1回歩くと以降拒否. 病棟でも, 記憶障害, 無関心, 無表情, 自閉, 依存, 易疲労, 意欲欠如がみられた. 器質性精神症状か反応性うつの鑑別が必要となったが...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 「症例」31歳女性. 平成8年両足先のしびれで発症, その後再発を繰り返し, 計4回ステロイドパルス療法を受けたが, 痙性対麻痺・四肢体幹の協調運動障害・失調性言語・眼振・頭部を除く全感覚障害・排尿障害を残した. 「経過」平成10年7月頃よりリハビリテーション(以下, リハ)意欲がなく, 心因反応を疑われ平成11年4月当院転入院. 非協力的で, 高次脳機能評価は難航し, WAIS-RはPIQ45未満, VIQ56, 歩行訓練も平行棒内1回歩くと以降拒否. 病棟でも, 記憶障害, 無関心, 無表情, 自閉, 依存, 易疲労, 意欲欠如がみられた. 器質性精神症状か反応性うつの鑑別が必要となったが, 抗うつ剤が効きにくかったこと, 前頭葉症状を伴ったことから両者の混合型を疑いグラマリール, アキネトン等投与し著効を示した. 「考察」今回のケースは, グラマリール等の投与によりリハプログラムの進行を補助することができた. |
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ISSN: | 0034-351X |