食品を使用した嚥下造影検査とチームによる評価が, 治療方針決定に有効であった嚥下障害の1例

70歳男性. 高血圧, 糖尿病, 多発性脳梗塞あり. 頸椎後方手術術後に合併して, 意識障害, 左上下肢麻痺, 軽度の運動性失語, 麻痺性構音障害, 嚥下障害をきたした. 嚥下障害は, 潜在性の仮性球麻痺が, 全身状態の急変で顕在化したことにより発症したと推察された. 誤嚥性肺炎を繰り返すため, 状態に応じて, 液体バリウム, 造影剤を混ぜたゼリー, 寒天, アガー, うどん, 粥, 飯, クッキー, ホットケーキなどの各食品を選択して嚥下造影を行い, リハビリテーション医, 神経内科医, 耳鼻咽喉科医, ST,OT, 栄養科, 看護部で開催する嚥下障害カンファレンスで経時的に評価した. 3ヵ...

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Hauptverfasser: 宮崎博子, 三浦賢佑, 藤本康子, 高橋寛, 三田村啓子, 岡島規至, 高岡宏子, 永口美晴, 川島裕子, 岡田まり子, 藤嶋恵美子, 松田美紀
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:70歳男性. 高血圧, 糖尿病, 多発性脳梗塞あり. 頸椎後方手術術後に合併して, 意識障害, 左上下肢麻痺, 軽度の運動性失語, 麻痺性構音障害, 嚥下障害をきたした. 嚥下障害は, 潜在性の仮性球麻痺が, 全身状態の急変で顕在化したことにより発症したと推察された. 誤嚥性肺炎を繰り返すため, 状態に応じて, 液体バリウム, 造影剤を混ぜたゼリー, 寒天, アガー, うどん, 粥, 飯, クッキー, ホットケーキなどの各食品を選択して嚥下造影を行い, リハビリテーション医, 神経内科医, 耳鼻咽喉科医, ST,OT, 栄養科, 看護部で開催する嚥下障害カンファレンスで経時的に評価した. 3ヵ月間に計3回評価し, 安全性, 有効性を視覚的に確認しながら, チームで統括的に食品の選択や治療方針の決定を行っていったが, 本例は誤嚥なく経過し, 条件付きながら普通食摂取可能となって自宅退院した. 全身状態も悪く誤嚥を繰り返す本症例に, 本法は有効であったと考えられた.
ISSN:0034-351X