急性期病院における脊髄損傷患者のリハビリテーションの問題点

症例は平成元年より当科にて入院加療した脊髄損傷患者のうち, 入院時, Frankel C以下であった22症例を対象とした. 疾患としては胸椎外傷, 中心性頸髄損傷がそれぞれ6例と多かった, 重症度はFrankel A7例, B2例, C13例であり, 18例に胸椎除圧固定術, 頸椎椎弓形成術等計19回の脊椎手術が行われた. 退院後はリハビリテーション(以下, リハ)専門病院に11例が転院した. 当院においては, 脊髄損傷患者は原則として手術を行っており, 術後1,2週にてリハを開始, 3カ月間をめどに, 車椅子の移乗訓練やROM訓練等基礎訓練を行った後, リハ専門病院に転院を勧めている. 今回...

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Hauptverfasser: 井上喜久男, 廣田礼司, 新屋順子, 榊原由考, 安藤美穂, 鈴木美恵
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:症例は平成元年より当科にて入院加療した脊髄損傷患者のうち, 入院時, Frankel C以下であった22症例を対象とした. 疾患としては胸椎外傷, 中心性頸髄損傷がそれぞれ6例と多かった, 重症度はFrankel A7例, B2例, C13例であり, 18例に胸椎除圧固定術, 頸椎椎弓形成術等計19回の脊椎手術が行われた. 退院後はリハビリテーション(以下, リハ)専門病院に11例が転院した. 当院においては, 脊髄損傷患者は原則として手術を行っており, 術後1,2週にてリハを開始, 3カ月間をめどに, 車椅子の移乗訓練やROM訓練等基礎訓練を行った後, リハ専門病院に転院を勧めている. 今回, 検討を行ったが, この治療方針はそれなりに評価できるものと思っている. 急性期病院における脊髄損傷患者のリハの問題点としては, 患者の孤独感, それに伴う障害の受容の難しさである. この問題の解決には, 脊髄損傷患者の多いリハ専門病院への3カ月程度の転院が必要であろう.
ISSN:0034-351X