胎児期から乳幼児期の問題と予後

1960年頃から始まった周産期医療の進歩は脳性麻痺の発生状況を大きく変化させた. ここではその変化を概略説明し, 一方, 障害を受けた幼弱脳の機能回復に基本的に考えておかねばならないニューロン可塑性の可能性について述べてみたい. 過去35年間の脳性麻痺の発生状況 1960年頃よりわが国の周産期医療は, 胎児管理や新生児の呼吸・循環の管理に大きな進歩を見せた. スタートは, 胎外でリスク新生児をケアするクベースの導入, 胎児心拍モニターによる胎児管理, 核黄疸治療のための全血交換であった. 一方, この時期, 乳幼児保健では, ポリオの生ワクチンが投与されるようになり, 粉ミルクの質が向上し,...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1999-02, Vol.36 (2), p.89-91
1. Verfasser: 竹下研三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1960年頃から始まった周産期医療の進歩は脳性麻痺の発生状況を大きく変化させた. ここではその変化を概略説明し, 一方, 障害を受けた幼弱脳の機能回復に基本的に考えておかねばならないニューロン可塑性の可能性について述べてみたい. 過去35年間の脳性麻痺の発生状況 1960年頃よりわが国の周産期医療は, 胎児管理や新生児の呼吸・循環の管理に大きな進歩を見せた. スタートは, 胎外でリスク新生児をケアするクベースの導入, 胎児心拍モニターによる胎児管理, 核黄疸治療のための全血交換であった. 一方, この時期, 乳幼児保健では, ポリオの生ワクチンが投与されるようになり, 粉ミルクの質が向上し, 3歳児健診の公的導入・栄養指導などが始まった. 当然のことながら周産期死亡率や乳幼児死亡率は急速な低下を見せていった. 今日の育児意識の変化や少子化につながるスタートである.
ISSN:0034-351X