鏡による股関節症例の歩容矯正効果
鏡による股関節症例の歩容矯正効果について, 歩行分析により検討した. 「対象」片側変形性股関節症10例で女性, 平均年齢49.7歳, JOA score平均59.3点と健常女性21例(平均年齢53.5歳)である. 「方法」自由歩行は, 身体前面で腕組みをし裸足で床反力計上を6回歩行をさせ正規化した. 鏡歩行は, 歩行路前方に高さ180cm, 幅90cmの鏡を設置し歩容を矯正するよう指示し歩かせた. 測定には, アニマ社製歩行解析装置を用いた. 「結果」歩幅, 歩行速度, 歩調, 立脚時間率, 単脚時間率は, 自由歩行と鏡歩行の間に変化はなく, 股関節の角度も, 鏡使用による有意な変化はない....
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Zusammenfassung: | 鏡による股関節症例の歩容矯正効果について, 歩行分析により検討した. 「対象」片側変形性股関節症10例で女性, 平均年齢49.7歳, JOA score平均59.3点と健常女性21例(平均年齢53.5歳)である. 「方法」自由歩行は, 身体前面で腕組みをし裸足で床反力計上を6回歩行をさせ正規化した. 鏡歩行は, 歩行路前方に高さ180cm, 幅90cmの鏡を設置し歩容を矯正するよう指示し歩かせた. 測定には, アニマ社製歩行解析装置を用いた. 「結果」歩幅, 歩行速度, 歩調, 立脚時間率, 単脚時間率は, 自由歩行と鏡歩行の間に変化はなく, 股関節の角度も, 鏡使用による有意な変化はない. 肩峰の. 上下・左右動揺は, 鏡の使用により改善した. 骨盤の上下・左右動揺は, 鏡歩行でも健常により低下していた. 関節モーメントは, 自由歩行と鏡歩行の間に差はなく鏡による矯正効果を認めなかった. 「考察」視覚的フィードバックとしての鏡の使用は, 患者への説明が簡単で短時間に学習でき, 効果に即効性があると思われたが, 肩峰の動揺にのみ効果を認めた. これは, (1)鏡の設置場所が歩行路前方であったこと, (2)歩行中最も動きが大きい部位が肩峰であり, 意識が集中しやすいためと考えられた. 「結語」鏡を用いた歩行訓練には, 矯正の必要な部位に見やすいマーカーを貼り付け患者の注意を集中させる必要性がある. |
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ISSN: | 0034-351X |