中枢神経疾患の立ち直り反応の検討

「目的」中枢神経疾患の立位保持機能を外乱刺激に対する立ち直り反応の側面から検討した. 「対象」当院に通院・入院するパーキンソン病, 脊髄小脳変性症, 脳血管障害それぞれ10例について検討し, 正常対照群10例と比較した. 「方法」1)動的平衡機能検査(NeuroCom社製EQT)を用い, フォースプレートとしての起立板により, 25°/secの角速度で8°足関節を背屈(toes up)させた時に, 前脛骨筋(TA), 大腿四頭筋(Quad)に出現し立ち直り反応を反映するとされるLong Latency Response(LLR)と足圧中心の動きを各群ごとに検討した. 2)さらに, 前方水平移動...

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Hauptverfasser: 山口明, 日野創, 白根聖子, 大仲功一, 大田仁史, 安岡利一, 伊佐知隆, 宇川康二, 高木昭輝, 出倉庸子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」中枢神経疾患の立位保持機能を外乱刺激に対する立ち直り反応の側面から検討した. 「対象」当院に通院・入院するパーキンソン病, 脊髄小脳変性症, 脳血管障害それぞれ10例について検討し, 正常対照群10例と比較した. 「方法」1)動的平衡機能検査(NeuroCom社製EQT)を用い, フォースプレートとしての起立板により, 25°/secの角速度で8°足関節を背屈(toes up)させた時に, 前脛骨筋(TA), 大腿四頭筋(Quad)に出現し立ち直り反応を反映するとされるLong Latency Response(LLR)と足圧中心の動きを各群ごとに検討した. 2)さらに, 前方水平移動の外乱刺激をsmall,large forwardと大きさをrandomに変えて与えた時の反応の大きさを検討した(Cognitive Paradigm). 「結果」パーキンソン病群では立ち直りの開始を示す足圧中心(COP), LLRの立ち上がりではControl群と差はなく, 脊髄小脳変性症とともに有効な立ち直りを得るまでの時間が遅れていた. さらに, 脳血管障害群の歩行バランス不良例も同様の結果であった(p<0.05). また, Cognitive Paradigmではパーキンソン病群のYahr IV例と脳血管障害群の立位歩行バランス不良例で過剰に反応した(p<0.05). 「考察」中枢神経疾患の立ち直り反応の評価としてLong Latency Responseの有用性を示した. 特に, パーキンソン病群では反応の出力制御に障害が伺えた.
ISSN:0034-351X