パーキンソニズム患者と体幹の回旋

「目的」パーキンソニズム患者(以下, P患者)の種々の運動障害は日常生活動作に障害をもたらしている可能性が大きい. 本研究では, 体幹の筋緊張を定量的に測定する装置を試作し, 歩行速度, 寝返り, 起き上がりとの関連を調べた. 「方法と対象」当科と当院, 神経内科受診中, 入院中のP患者19名と健常者10名に等運動性機器のCPM(continuous passive motion)装置を用い, 体幹回旋(平山らの背臥位, 立て膝, 踵を浮かした肢位)のpassive movementを特別に作製したベッドに患者を背臥位にさせレバーアームを一定角速度(5度/秒)で動かし行い, トルク曲線を描いて...

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Hauptverfasser: 日野創, 白根聖子, 山口明
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」パーキンソニズム患者(以下, P患者)の種々の運動障害は日常生活動作に障害をもたらしている可能性が大きい. 本研究では, 体幹の筋緊張を定量的に測定する装置を試作し, 歩行速度, 寝返り, 起き上がりとの関連を調べた. 「方法と対象」当科と当院, 神経内科受診中, 入院中のP患者19名と健常者10名に等運動性機器のCPM(continuous passive motion)装置を用い, 体幹回旋(平山らの背臥位, 立て膝, 踵を浮かした肢位)のpassive movementを特別に作製したベッドに患者を背臥位にさせレバーアームを一定角速度(5度/秒)で動かし行い, トルク曲線を描いて検討した. また, 歩行速度, 寝返り, 起き上がりにかかる時間を計測した. 「結果」健常者では, なめらかなトルク曲線が描かれたが, P患者では, 体幹回旋時, 動きと反対方向に一様な抵抗が持続していた. また, 歩行速度, 寝返り, 起き上がりにかかる時間が有意に延長し, トルク曲線の傾きと関連があった. 「考察」P患者は体幹の筋緊張の増加する患者があり, このような患者では, 歩行, 寝返り, 起き上がりが困難であった. この方法で体幹の筋緊張の重症度を客観的かつ定量的に評価できた. 体幹の筋緊張が日常生活動作に障害をもたらしているのが明らかにされた.
ISSN:0034-351X