半腱様筋腱と薄筋腱を用いたACL再建術と早期リハビリテーションの成績

「目的」半腱様筋腱と薄筋腱を用いるACL再建術(STG法)後の早期リハビリテーション(以下, リハ)の問題について検討を加えた. 「方法」術中にpivot shiftとLachman testが陰性化し, 術後3年以上経過した59例59膝を対象とした. 対象症例は患側膝にACL以外に重篤な靱帯損傷を伴わず, 対側膝に重篤な靱帯損傷のない初回再建例である. 再建術式はSTG法が49膝, 骨片付き膝蓋腱(BTB法)が10膝であった. 術後はSchelbourneの方法に準じて, 術翌日より可及的全荷重歩行と過伸展訓練および筋力強化を施行した. STG法は10歳代, 20~30歳代, 40歳以上の3...

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Hauptverfasser: 一戸貞文, 吉田昌明, 双木慎, 村上英恵, 本田恵, 北川由佳
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「目的」半腱様筋腱と薄筋腱を用いるACL再建術(STG法)後の早期リハビリテーション(以下, リハ)の問題について検討を加えた. 「方法」術中にpivot shiftとLachman testが陰性化し, 術後3年以上経過した59例59膝を対象とした. 対象症例は患側膝にACL以外に重篤な靱帯損傷を伴わず, 対側膝に重篤な靱帯損傷のない初回再建例である. 再建術式はSTG法が49膝, 骨片付き膝蓋腱(BTB法)が10膝であった. 術後はSchelbourneの方法に準じて, 術翌日より可及的全荷重歩行と過伸展訓練および筋力強化を施行した. STG法は10歳代, 20~30歳代, 40歳以上の3群に分け, BTB群を1群として検討を行った. 検討項目は術後入院期間, 全荷重歩行可能となった時期, pivot shift,Lachman test, 大腿周径差, JOA score,Lysholm score, スポーツ活動, 術後合併症などである. 「結果」STG法の3群間には検討項目について有意差は認められなかった. STG法とBTB法の検討では全荷重歩行可能となった時期はSTG法が有意に短期間であり, 大腿周径差は術後1年, 3年ともにSTG法が有意に小さかった. 「考察」ACL再建後の早期リハについて, Shelbourneらは術後2年から6年の経過で問題はなかったと報告している. 半腱様筋腱と薄筋腱を用いる我々の方法でも術後1年と術後3年の経過の比較検討で有意な変化はなく, BTB法との比較では全荷重可能となった日数は有意に短く, 大腿周径差も有意に優れ, 有用性もあると考えられた. 「結論」STG法に早期リハの組合せは若年者から壮年者まで安全かつ有用と考えられた.
ISSN:0034-351X