クランベリージュースの尿路に対する臨床効果
「目的」クランベリージュースの飲料は, 尿路に排泄され尿路上皮細胞への菌体付着阻害作用により尿路感染症の改善に有効であると言われている. 今回排尿障害を有する患者に対し, 市販のクランベリージュースを投与し, その前後で検尿所見および自覚症の推移を中心に尿路感染症の改善を検討した. 「対象」症例は膿尿を有する脊損18例, 脳卒中3例, 二分脊椎3例の24例. 男19名・女5名, 年齢16~74歳(平均46.7歳). 「方法」対象患者に50%クランベリージュースを200ml/日または400ml/日で2~4週投与し, 投与前後の検尿所見・患者の自覚症状の推移を検討した. 「結果」脱落2例を除いた2...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 「目的」クランベリージュースの飲料は, 尿路に排泄され尿路上皮細胞への菌体付着阻害作用により尿路感染症の改善に有効であると言われている. 今回排尿障害を有する患者に対し, 市販のクランベリージュースを投与し, その前後で検尿所見および自覚症の推移を中心に尿路感染症の改善を検討した. 「対象」症例は膿尿を有する脊損18例, 脳卒中3例, 二分脊椎3例の24例. 男19名・女5名, 年齢16~74歳(平均46.7歳). 「方法」対象患者に50%クランベリージュースを200ml/日または400ml/日で2~4週投与し, 投与前後の検尿所見・患者の自覚症状の推移を検討した. 「結果」脱落2例を除いた22例での結果は, (1)尿pHの正常化11例, 不変2例, 悪化2例. (2)尿中カルシウム結晶の消失3例, 不変12例, 悪化なし. (3)膿尿の改善6例, 不変9例, 悪化なし. (4)自覚症の尿混濁の改善4例, やや改善4例, 不変7例. 改善は, pH所見・膿尿・尿混濁の順で認められた. 「まとめ」(1)24例の膿尿を認める排尿障害患者を対象にクランベリージュースの尿路に対する臨床効果を検討した. (2)尿pHの改善73.3%, 膿尿の改善40%, 尿混濁の改善20%と, 排尿障害を有する患者の尿路管理をする際, 本ジュースの飲料は有用であると考えられた. (3)悪化例・不変例は膀胱痩例など複雑性尿路感染症例で, これらの症例には効果が期待できなかった. |
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ISSN: | 0034-351X |