当院におけるPEG施行例の検討
「目的」当院で経皮内視鏡胃瘻造設術(PEG)を施行された症例を検討し, PEGの合併症・適応について考察した. 「対象と方法」当院で1990年9月~1997年12月にPEGが施行された79例(男性41人, 女性38人)をretrospectiveに検討した. 「結果」平均年齢は74.0歳, 80歳以上33%と高齢者が多く, 原因疾患は脳血管障害が66%, 嚥下障害の症例が95%であった. 発症後1年以上経過した例が45%, 施行前Alb値は3.5mg/dl以下が88%, Barthel Indexは25点以下が95%, 気道感染の合併例は58%であり, MRSAが22例で検出された. 経鼻胃管...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1998, Vol.35 (11), p.807-808 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」当院で経皮内視鏡胃瘻造設術(PEG)を施行された症例を検討し, PEGの合併症・適応について考察した. 「対象と方法」当院で1990年9月~1997年12月にPEGが施行された79例(男性41人, 女性38人)をretrospectiveに検討した. 「結果」平均年齢は74.0歳, 80歳以上33%と高齢者が多く, 原因疾患は脳血管障害が66%, 嚥下障害の症例が95%であった. 発症後1年以上経過した例が45%, 施行前Alb値は3.5mg/dl以下が88%, Barthel Indexは25点以下が95%, 気道感染の合併例は58%であり, MRSAが22例で検出された. 経鼻胃管により経管栄養を利用していた例が77%であり, PEGの施行目的が経鼻胃管のトラブル回避である例が多かった(75%). 合併症は34.2%に認め, その74.1%が創感染であり, MRSAの感染が7例あった. 死亡例1例は創感染の症例であった. 創感染の発生率は80歳以上, introducer法に対してPull法・Push法で高く, 試行時に抗生剤が投与されていた例で低い傾向を認めた(有意差はなし). 「考察」PEGは改善の見込みがない嚥下障害の症例に多く施行され, 高齢, 低栄養, ADL全介助, 感染症合併の症例が多い. 経鼻胃管にてトラブルが生じる場合, 全身状態が不良でもPEGの適応となりうるが, PEG施行に伴う合併症について考慮が必要である. 合併症のなかでも創感染は頻度も高く重要であり, さらなる全身状態の悪化につながるためその予防が必要である. |
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ISSN: | 0034-351X |