救命救急センターと連携した早期義手装着訓練の効果

「目的」当院では救命救急センター開設以来上肢切断者のリハビリテーションを行う機会が増えている. 救命救急センターとリハビリテーションが連携し早期能動義手装着訓練を行うことの意義を確認する目的で, 過去の上肢切断者との比較を行った. 「方法」過去10年間に当科を受診した上肢切断者について, 診療録よりリハビリテーション治療内容, 治療期間, 義手処方内容, 義手使用状況を抽出し調査検討した. 「結果」症例は精神疾患を除く上腕切断7例, 前腕切断7例, 手関節離断4例の計18例であり, 救命救急センターを経由した症例(対象群)8例, 経由しなかった症例(コントロール群)10例である. 対象群では2...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 大西正徳, 水落和也, 安藤徳彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」当院では救命救急センター開設以来上肢切断者のリハビリテーションを行う機会が増えている. 救命救急センターとリハビリテーションが連携し早期能動義手装着訓練を行うことの意義を確認する目的で, 過去の上肢切断者との比較を行った. 「方法」過去10年間に当科を受診した上肢切断者について, 診療録よりリハビリテーション治療内容, 治療期間, 義手処方内容, 義手使用状況を抽出し調査検討した. 「結果」症例は精神疾患を除く上腕切断7例, 前腕切断7例, 手関節離断4例の計18例であり, 救命救急センターを経由した症例(対象群)8例, 経由しなかった症例(コントロール群)10例である. 対象群では2例が早期に転院し, 残り6例全例に早期能動義手装着訓練を行い, 5例が能動義手の実用使用に至った. コントロール群では10例中5例に能動義手装着訓練を行い, 2例が実用使用に至った. 対象群では訓練用義手処方まで平均36.5病日, 更生用義手処方まで120.3病日であった. 対象群の社会復帰状況は5例が復職および配置転換し, 能動義手実用に至らなかった1例は退職した. 対象群の現在の能動義手使用状況は2例が日常動作一般で使用, 3例が就労時および日常生活の一部に使用している. 「考察」今回の結果から, 救命救急センターと連携して早期能動義手訓練を行うことにより, 能動義手使用による早期社会復帰が得られ, 能動義手定着率も向上すると思われた.
ISSN:0034-351X