片麻痺患者の全身持久力

「目的」我々は過去3年間, 日本リハビリテーション医学会において「立ち上がり動作」負荷漸増法についての詳細を報告してきた. 本法は全身持久力の指標としてanaerobic threshold(以下AT)を用い, 歩行不能な片麻痺患者にも応用できる. ところで, 1997年に馬場らが提唱した酸素摂取効率勾配(Oxygen Uptake Efficiency Slope:OUES)も, 最大下の運動で測定可能な全身持久力の指標として注目されておりVO_2 maxとの高い相関が報告されている. 今回は, 我々のデータよりOUESを算出し最高酸素摂取量との相関を求め, また負荷時間の差異により相関係数...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1998, Vol.35 (11), p.774-775
Hauptverfasser: 木檜晃, 加勢田美恵子, 藤巻滋, 鷹野昭士, 伊佐地隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」我々は過去3年間, 日本リハビリテーション医学会において「立ち上がり動作」負荷漸増法についての詳細を報告してきた. 本法は全身持久力の指標としてanaerobic threshold(以下AT)を用い, 歩行不能な片麻痺患者にも応用できる. ところで, 1997年に馬場らが提唱した酸素摂取効率勾配(Oxygen Uptake Efficiency Slope:OUES)も, 最大下の運動で測定可能な全身持久力の指標として注目されておりVO_2 maxとの高い相関が報告されている. 今回は, 我々のデータよりOUESを算出し最高酸素摂取量との相関を求め, また負荷時間の差異により相関係数がどの程度変化するかを調べ検討した. 「対象」健常者16名および片麻痺患者11名. 健常, 片麻痺ともに全員男性. 「方法」被験者は昇降可能な台に座り, 3分間の安静後, 片手(健側)で手すりを支持して, 毎分5,10,15,20, …回の「立ち上がり動作」を各々3分間ずつ連続して行った. 呼気ガス分析は, アニマ社製システムR1500Sを用い, 負荷中は各種モニタを装着した. 中止基準は, 修正Bruce法多段階トレッドミル試験の運動中止徴候に従った. 「結果」得られたOUESとVO_2 peak との相関係数は健常者で0.86, 片麻痺患者は0.78と相関は良好であった. 負荷時間の減少に伴い, 健常者の相関係数の低下率に比べて片麻痺患者の低下率が大きかった. 「考察」現状では片麻痺患者に対するOUESのATに対する有利点は際だってはいないが, 今後心拍数を指標とした解析をすすめ, OUESの詳細につき報告したい.
ISSN:0034-351X