脳卒中片麻痺に対する早期リハビリテーションプログラムの有用性
「目的」脳卒中片麻痺に対する早期リハビリテーション(以下, リハ)の重要性が指摘されているが, 医療スタッフなどの認識不足により, 訓練開始のタイミングを逃すことが稀ならずみられる. 今回われわれの施設において, リハ専門医が積極的な訓練プログラムを立案し, 脳卒中早期からのリハを施行する機会を得たので, それ以前に行っていた訓練プログラムと比較し, その有用性を検討した. 「対象」当科に入院した急性期脳卒中片麻痺30名を対象とした. 年齢は53~87歳(70.4±11.1歳)で, 男性16名, 女性14名. 脳梗塞17名, 脳出血13名. 右片麻痺18名, 左片麻痺12名であった. 早期プロ...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 「目的」脳卒中片麻痺に対する早期リハビリテーション(以下, リハ)の重要性が指摘されているが, 医療スタッフなどの認識不足により, 訓練開始のタイミングを逃すことが稀ならずみられる. 今回われわれの施設において, リハ専門医が積極的な訓練プログラムを立案し, 脳卒中早期からのリハを施行する機会を得たので, それ以前に行っていた訓練プログラムと比較し, その有用性を検討した. 「対象」当科に入院した急性期脳卒中片麻痺30名を対象とした. 年齢は53~87歳(70.4±11.1歳)で, 男性16名, 女性14名. 脳梗塞17名, 脳出血13名. 右片麻痺18名, 左片麻痺12名であった. 早期プログラム施行以前に訓練を行った脳卒中30名を対照群として用いた. 年齢は59~89歳(69.9±11.1歳)で, 男性16名, 女性14名. 脳梗塞21名, 脳出血9名. 右片麻痺16名, 左片麻痺14名であった. 「方法」発症から入院ならびにリハ開始までの期間, 座位, 立位, マット, 歩行訓練開始までの期間, 訓練開始時および退院時のADL(Barthel index), 在院日数を2群間で比較した. 「結果」発症から入院までの期間は以前のプログラムと差を認めなかったが, リハ開始までの期間やそれぞれの訓練の開始時期はいずれも以前のプログラムに比べ, 短縮していた. さらに在院日数にも明らかな短縮を認めた. 訓練開始時ADLは両群ともに差を認めなかったが, 退院時ADLでは早期プログラムの方が良好であった. 「考察」発症早期から訓練し, 目的意識を持たせることで, 訓練の進行がスムーズとなり, 入院期間の短縮ができた. 臥床期間の短縮は廃用症候群の予防に有益であり, 病棟での訓練も不可欠である. |
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ISSN: | 0034-351X |