重症破傷風に対する早期リハビリテーションの1経験

症例は61歳女性, 開口障害にて発症, 24時間後全身痙攣となり, 経鼻挿管の後ICUにて人工呼吸管理を行った. 第17病日より胸郭のストレッチと, 排啖訓練を中心にリハビリを開始, 以後関節拘縮に対し, 可動域訓練を行った. 当初は医師の監視下にて行ったが, 交感神経系の過緊張のため, わずかな痛み刺激によっても血圧は250mmHgまで上昇し, しばしばリハビリを中止せざるを得なかった. 第37病日に抜管後は座位, 起立訓練などを行った. リハビリ室に出てからは, 拘縮の強かった肩関節, 体幹に対し, 靴の着脱などのADL訓練を行い, 第94病日にT字杖にて退院となった. 破傷風の早期リハビ...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1998, Vol.35 (5), p.360-360
Hauptverfasser: 井上喜久男, 廣田礼司, 鈴木順子, 安藤美穂, 鈴木美恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は61歳女性, 開口障害にて発症, 24時間後全身痙攣となり, 経鼻挿管の後ICUにて人工呼吸管理を行った. 第17病日より胸郭のストレッチと, 排啖訓練を中心にリハビリを開始, 以後関節拘縮に対し, 可動域訓練を行った. 当初は医師の監視下にて行ったが, 交感神経系の過緊張のため, わずかな痛み刺激によっても血圧は250mmHgまで上昇し, しばしばリハビリを中止せざるを得なかった. 第37病日に抜管後は座位, 起立訓練などを行った. リハビリ室に出てからは, 拘縮の強かった肩関節, 体幹に対し, 靴の着脱などのADL訓練を行い, 第94病日にT字杖にて退院となった. 破傷風の早期リハビリの問題点としては, 気管内挿管や気管切開による人工呼吸のため呼吸訓練が難しい. 長期の筋弛緩剤の投与による著しい筋萎縮, 長期間経口摂取ができないための筋力の回復の遅延, 交感神経の過緊張のため循環状態の不安定さ, MRSA感染などのICUの環境の問題等が挙げられる.
ISSN:0034-351X