Duchenne型筋ジストロフィーに対する車椅子用電動補助ユニットの使用経験

「目的」車椅子に装着し, 手動操作の力に応じて電気動力の補助を得る装置(JW-II)が近年開発された. Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対しJW-IIの使用を試み, その有用性と問題点を検討したので報告する. 「方法」症例はDMD 4例, 平均年齢は15歳. 厚生省研究班による機能障害度は全てStage VII, 9段階法による上肢機能障害度は6, いずれも心不全潜伏期であった. 呼吸機能(%VC)の平均は41%であった. これらの症例のJW-II使用時の心拍数増加率, 握力そしてアンケートによる患者満足度を調査した. 「結果」JW-II使用時の心拍数増加量は安静時に比較して約3...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 竹光正和, 三島令子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」車椅子に装着し, 手動操作の力に応じて電気動力の補助を得る装置(JW-II)が近年開発された. Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対しJW-IIの使用を試み, その有用性と問題点を検討したので報告する. 「方法」症例はDMD 4例, 平均年齢は15歳. 厚生省研究班による機能障害度は全てStage VII, 9段階法による上肢機能障害度は6, いずれも心不全潜伏期であった. 呼吸機能(%VC)の平均は41%であった. これらの症例のJW-II使用時の心拍数増加率, 握力そしてアンケートによる患者満足度を調査した. 「結果」JW-II使用時の心拍数増加量は安静時に比較して約30%増加. 握力は利き手で平均3kg(1例は測定感度以下). 患者満足度はいずれの症例も「よかった」であった. 機械に頼らず自己の力を発揮して駆動している感じがする, がその理由であった. 「考察」今回の検討より握力が低値で肘周囲の筋力が低下した症例でもJW-IIの駆動が可能であることが明らかとなった. また, 心肺機能への負担が少なく, 患者の満足度も高いため有用な補助装置と考える. 問題は車椅子の重量増加, 充電および維持管理の煩雑性と思われた.
ISSN:0034-351X