LPシャント(髄液短絡手術)後の患者の留意点

LPシャント(腰椎くも膜下腔・腹腔髄液短絡手術)はVPシャントに比し, (1)脳室穿刺を必要としないため脳内合併症がない, (2)腰椎麻酔で施行でき, 手術時間も短いため感染が少ない, (3)中枢側カテーテルの閉塞が少ない, などの利点がある. 演者は当院開設平成5年8月~平成9年2月まで正常圧水頭症に対し46例56回のLPシャントを行った. 原疾患は特発性正常圧水頭症10例, くも膜下出血後水頭症30例, 脳出血後水頭症5例, 髄膜炎後水頭症1例, すべて交通性水頭症であった. 年齢は46~89歳(平均69歳), 男性22例, 女性24例であった. 合併症はLPシャント閉塞3例(6.5%)6...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (12), p.970-971
Hauptverfasser: 酒井龍雄, 安保雅博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:LPシャント(腰椎くも膜下腔・腹腔髄液短絡手術)はVPシャントに比し, (1)脳室穿刺を必要としないため脳内合併症がない, (2)腰椎麻酔で施行でき, 手術時間も短いため感染が少ない, (3)中枢側カテーテルの閉塞が少ない, などの利点がある. 演者は当院開設平成5年8月~平成9年2月まで正常圧水頭症に対し46例56回のLPシャントを行った. 原疾患は特発性正常圧水頭症10例, くも膜下出血後水頭症30例, 脳出血後水頭症5例, 髄膜炎後水頭症1例, すべて交通性水頭症であった. 年齢は46~89歳(平均69歳), 男性22例, 女性24例であった. 合併症はLPシャント閉塞3例(6.5%)6回(10.7%), 坐骨神経痛3例(6.5%)3(5.4%), 慢性硬膜下血腫1例(2%)1回(1.8%)であった. シャント閉塞症例はシャント術後2か月以降に3例(6.5%)4回(7%)認められた. よって, リハビリテーション科に転科後, シャント閉塞を併発する患者が存在する. 他院からLPシャント後に当院リハビリ科に転院してきた患者で入院約1か月後に傾眠傾向となり入院時CTよりも脳室拡大を認め, LPシャント再建術を必要とした患者があった. したがって, (1)傾眠傾向, 意欲低下, 尿失禁が見られた場合LPシャント閉塞である場合がある. (2)シャント手術後の患者は入院時CTを施行しておくことが必要である. 入院時CTよりも脳室拡大が認められた場合, シャント再建術が必要である.
ISSN:0034-351X