脳性麻痺児の股関節脱臼の治療成績

脳性麻痺児の股関節脱臼19例の治療成績について考察を加えた. 「方法」股関節の状態を, Reimerのmigration percentage(MP)により, stage I~Vとした. 臼蓋は, α角は31度以上, Sharp角は51度以上を臼蓋形成不全とした. 「結果」術前の股関節の状態は, stage III 5股, stage IV6股, stage V8股で, 初回手術は, 軟部組織解離術のみが8股, これに減捻内反骨きり術を追加したもの8股, 臼蓋形成術を追加したもの3股であった. 調査時の股関節の状態はstage I 2股, stage II 2股, stage III 6股,...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (12), p.968-968
Hauptverfasser: 杉基嗣, 開地逸朗, 斎藤良明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳性麻痺児の股関節脱臼19例の治療成績について考察を加えた. 「方法」股関節の状態を, Reimerのmigration percentage(MP)により, stage I~Vとした. 臼蓋は, α角は31度以上, Sharp角は51度以上を臼蓋形成不全とした. 「結果」術前の股関節の状態は, stage III 5股, stage IV6股, stage V8股で, 初回手術は, 軟部組織解離術のみが8股, これに減捻内反骨きり術を追加したもの8股, 臼蓋形成術を追加したもの3股であった. 調査時の股関節の状態はstage I 2股, stage II 2股, stage III 6股, stage IV 7股, stage V 1股となっていた. 「考察」臼蓋形成術を行った例は, 全例良好な結果が得られていたが, 軟部組織解離術や内反骨きり術は, 成績が不良となっていた. これらの手術では, 臼蓋の再生が起こるか否かは, 不確実であり, 成績不良の一因は, 臼蓋形成術が, 19例中3股に行われたにすぎない点にあると思われた. 本疾患における臼蓋形成不全に対しても, 積極的に対処する必要がある. 今回の調査から, 本疾患の治療には, 脱臼に直接関わる要因のすべてを除くことが望ましく, このためには, 軟部組織解離, 減捻内反骨きり術, 臼蓋形成術を同時に行うcombined procedureが良い方法と考えられた. また, 骨手術でも, 同時に反対側に軟部組織解離術を行っておくのがよいと考えている.
ISSN:0034-351X