最近10年間の頭部外傷のリハビリテーション
昭和63年~平成9年に, 当院でリハビリテーション(以下リハ)を行った頭部外傷患者36例を検討した. 男性25例, 女性11例, 年齢は5~91歳(平均54歳), 60歳以上が20例(56%)と過半数を占めた. 受傷から入院まで0日の例が77.8%であり, 救急指定病院でもある当院の特徴と考えられた. 入院時GCSでは4~8点の重症例が15例(42%), 精神機能障害を呈した例が23例と多く, 身体機能障害のみの例は9例と少なかった. 受傷原因では高齢者のバイク事故が目立ち(25%), 交通機関に乏しい農村部の特徴と考えられた. 高齢者では外傷の程度は軽くても機能回復は悪い傾向があり(60歳未...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 昭和63年~平成9年に, 当院でリハビリテーション(以下リハ)を行った頭部外傷患者36例を検討した. 男性25例, 女性11例, 年齢は5~91歳(平均54歳), 60歳以上が20例(56%)と過半数を占めた. 受傷から入院まで0日の例が77.8%であり, 救急指定病院でもある当院の特徴と考えられた. 入院時GCSでは4~8点の重症例が15例(42%), 精神機能障害を呈した例が23例と多く, 身体機能障害のみの例は9例と少なかった. 受傷原因では高齢者のバイク事故が目立ち(25%), 交通機関に乏しい農村部の特徴と考えられた. 高齢者では外傷の程度は軽くても機能回復は悪い傾向があり(60歳未満と60歳以上の比較で, 入院時GCS t-0.0033, 退院時BI t=0.047), また受傷前より内科的合併症を有していた例にもその傾向がみられた(有意差はなし). 転帰先は, 自宅13例(36%), 転院11例(31%)であり, 家庭復帰は困難, 特に若年者で機能回復が不良な例は転院が多かった. 若年者では長期リハが必要だが, 急性期の患者が多い当院で行うのは困難であり, 若年者の転院が多いことの一因と考えられた. リハ前後のBI,LCFSは重症例でも改善を認め, 60歳以上や重症例で特に顕著な改善を認めた例もあった. しかし個々の症例を検討するとBIに比較してLCFSの改善は悪く, 認知行動障害のリハは困難であることがわかる. 認知行動障害に対するリハ・プログラムの検討, 評価を行う必要がある. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |