31P-MRSを用いた“second wind”現象の筋線維タイプ別解析
「目的」“Second wind”とは長時間継続する運動の際, 運動開始後数分を境にして急に体が楽になる現象をいう. ヒト骨格筋の31P-MRSで運動中の無機リン酸(Pi)のピークが各筋線維タイプに対応する複数の成分に分割することが知られており, これを利用して, “second wind”現象において各筋線維タイプがどのような代謝動態を示すかを解析した. 「方法」健康な成人男性2名に2テスラ臨床用NMR装置内で右足関節の底屈運動を行わせた. 運動負荷は二種類に設定した(4kg-2Hz-8min, 2kg-2Hz-8min). 31P-MRSの信号は表面コイルにより主として下腿三頭筋から得た....
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Zusammenfassung: | 「目的」“Second wind”とは長時間継続する運動の際, 運動開始後数分を境にして急に体が楽になる現象をいう. ヒト骨格筋の31P-MRSで運動中の無機リン酸(Pi)のピークが各筋線維タイプに対応する複数の成分に分割することが知られており, これを利用して, “second wind”現象において各筋線維タイプがどのような代謝動態を示すかを解析した. 「方法」健康な成人男性2名に2テスラ臨床用NMR装置内で右足関節の底屈運動を行わせた. 運動負荷は二種類に設定した(4kg-2Hz-8min, 2kg-2Hz-8min). 31P-MRSの信号は表面コイルにより主として下腿三頭筋から得た. また一部の測定ではNMR用生命監視モニター(MAGLIFE)により脈拍, 呼吸などの生理学的パラメータを同時測定した. 「結果・考察」ほとんどの測定において一度低下したクレアチンリン酸(PCr)やpHが運動中にもかかわらず回復に向かう現象が認められ, 自覚的にも運動が急に楽になった. このとき, 速筋に対応するPiの成分はPCrやpHと同様の運動中の回復現象が認められたが, 遅筋の対応するPi成分にはそのような傾向は認められなかった. このことより, 骨格筋における“second wind”現象は主として速筋に生じている現象であることが判明した. また, 運動開始後の脈拍数の変化とPCrの変化に一定の関係が認められることから全身的な代謝状態, ことに血液循環系の関与が大きい現象であることが示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |