歩行能力喪失後のDuchenne型筋ジストロフィー症のADLについて
「目的」当院の長期療養目的で入院中のDuchenne型筋ジストロフィー患者のADL評価を, 機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)を用いて行った. またADLに影響を及ぼす因子について検討した. 「方法」対象は当院に入院中の筋ジストロフィー患者39名で, 全員が男性, 年齢は9~26歳であった. 厚生省筋萎縮症研究班による機能障害度では, 全員がStagbe 5以上(歩行不可能)であった. これらの患者に, FIM(運動項目)によるADL評価, 四肢・頸部筋力測定, 動脈血ガス分析を行った. 「結果」FIMによるADL評価では, 食事・整容...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」当院の長期療養目的で入院中のDuchenne型筋ジストロフィー患者のADL評価を, 機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)を用いて行った. またADLに影響を及ぼす因子について検討した. 「方法」対象は当院に入院中の筋ジストロフィー患者39名で, 全員が男性, 年齢は9~26歳であった. 厚生省筋萎縮症研究班による機能障害度では, 全員がStagbe 5以上(歩行不可能)であった. これらの患者に, FIM(運動項目)によるADL評価, 四肢・頸部筋力測定, 動脈血ガス分析を行った. 「結果」FIMによるADL評価では, 食事・整容・排尿・移動動作などが一部可能な群(部分介助群)と, それらも困難な全介助群とに二分された. FIMと四肢・頸部筋力の平均値は, 筋力が残存しているほどFIMの得点は高い傾向があった. FIMと動脈血ガス分析の関係は, FIMの得点が低い患者は, pCO_2 値が高い傾向があった. 「考察」FIMによるADL評価では, 部分介助群と全介助群とに二分されたが, 各群内では, 患者間のばらつきが少なく, 各患者に同様の介助がなされていると考えられた. FIMと四肢・頸部筋力の関係では, 残存筋力, 特に手指の残存筋力がADLに反映され, 手指筋力がある一定以下になると, 全介助群に移行すると考えられた. FIMと動脈血ガス分析の関係より, 呼吸状態の悪化がADL低下の一因となることが考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |