片麻痺患者の全身持久力
「目的」我々は昨年, 一昨年とリハビリテーション医学会において, 『立ち上がり動作』負荷漸増法を設定し, 同法にて健常者20名および片麻痺患者21名に対して呼気ガス分析を行い, 検討を加えてきた. 今回は過去3年間の計測結果をもとに, 両群間の比較検討を行った. 「対象」健常者20名(男18名, 女2名)および片麻痺患者21名(男18名, 女3名). 年齢:40.3±9.4歳(mean±SD)および52,2±5.4歳, 身長:166.3±6,8cmおよび165.7±6.6cm, 体重:62.5±10.8kgおよび65.25±10.8kg. 片麻痺患者の内訳は脳出血13名, 脳梗塞5名, くも膜...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (12), p.892-892 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」我々は昨年, 一昨年とリハビリテーション医学会において, 『立ち上がり動作』負荷漸増法を設定し, 同法にて健常者20名および片麻痺患者21名に対して呼気ガス分析を行い, 検討を加えてきた. 今回は過去3年間の計測結果をもとに, 両群間の比較検討を行った. 「対象」健常者20名(男18名, 女2名)および片麻痺患者21名(男18名, 女3名). 年齢:40.3±9.4歳(mean±SD)および52,2±5.4歳, 身長:166.3±6,8cmおよび165.7±6.6cm, 体重:62.5±10.8kgおよび65.25±10.8kg. 片麻痺患者の内訳は脳出血13名, 脳梗塞5名, くも膜下出血3名. 17名独歩可能, 麻痺側に差異はなく, 平均発症後経過月数35±24.8ヵ月. 「方法」被験者は昇降可能な台に座り, 3分間の安静後, 片手(健側)で手すりを支持して, 毎分5,10,15,20, …回の『立ち上がり動作』を各々3分間ずつ連続して行った. 呼気ガス分析は, アニマ社製システムR1500Sを用い, 負荷中は各種モニタを装着した. 中止基準は, 正Bruce法多段階トレッドミル試験の運動中止徴候に従った. 「結果」以下, 健常, 片麻痺の順に, AT検出率:78.6%, 71.4%, AT:18,3±3.1,10.2±1.9(ml/min/kg), VO_2 rest:7.2±1.0,3.8±0.79(ml/min/kg), VO_2 peak:30.6±6.4,17.0±3,1(ml/min/kg), 負荷総時間:27分31秒±4分3秒, 15分1秒±2分20秒, 中止理由:筋疲労11,14, 痙性増強(片麻痺のみ)8, ついてゆけず4,8, 呼吸苦5,7, target HRに達したもの6,1. 終了時STEP(毎分の立ち上がり回数が一定である3分間を1ステップとした際, 終了時どのステップであったか, という指標)9.7,5.2. 「考察」今回の結果から片麻痺群の体力は健常群のそれの約半分であることが判明した. 検出率がやや低値であり, 今後検討を要する点もあるが, 当負荷方法は入院患者の訓練進行度チェックや外来フォロー患者の日常体力評価等, 種々の応用が可能と考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |