外反母趾症の歩行解析

「目的」外反母趾症は足部の変形のみならず歩行時の疼痛を主訴とすることが多いがその動的な評価は困難である. そこで本症の動的歩行解析を行うためF-scanを用いて外反母趾症の歩行時の足底圧の計測を行い正常歩行と比較し本法の有用性について検討した. 「対象」外反母趾症(HV群)と足部に愁訴のない正常対照(N群)の成人女性各10例である. 「方法」足底圧の計測はTekscan社製F-scanを用い足底圧の中心(CF)に着目し, 歩行をHeel contact(HC), Mid stance(MS), Toe off(TO)の3相に分類したうえで各相における各群のCFの軌跡を比較した. 「結果」N群で...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (11), p.784-784
Hauptverfasser: 福島一雅, 今村安秀, 大幸俊三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」外反母趾症は足部の変形のみならず歩行時の疼痛を主訴とすることが多いがその動的な評価は困難である. そこで本症の動的歩行解析を行うためF-scanを用いて外反母趾症の歩行時の足底圧の計測を行い正常歩行と比較し本法の有用性について検討した. 「対象」外反母趾症(HV群)と足部に愁訴のない正常対照(N群)の成人女性各10例である. 「方法」足底圧の計測はTekscan社製F-scanを用い足底圧の中心(CF)に着目し, 歩行をHeel contact(HC), Mid stance(MS), Toe off(TO)の3相に分類したうえで各相における各群のCFの軌跡を比較した. 「結果」N群ではHCからTOにかけてCFは脛骨側に移動しながら最終的に母趾に至る軌跡を示した. HV群ではHCからMSにかけてCFは直線的に移動し, その後TOでの脛骨側へ移動が少なく第2,3中足骨骨頭に集中した. この部位は本症における胼胝の形成される部分と一致していた. 「考察」HV群では母趾MP関節の疼痛を回避するためにN群に比較してTOでのCFの脛骨側へ移動が少なく第2,3中足骨骨頭に集中する傾向が見られた. F-scanによる動的歩行解析は外反母趾症の症状を反映することから本症の治療法の選択や治療効果の判定における補助的評価法として有用であると考えられた.
ISSN:0034-351X