Seating Clinic(椅子の処方と製作)の経験
平成2年9月より障害児の椅子の処方と製作を行い, 個別に製作した座位保持椅子により座位姿勢および頭部の安定化が図られ, 80%以上に食事動作の改善ができた. 座位保持椅子の動的バランスを単に視覚的に判断するのではなく, 客観的に評価する方法がないかと考え, 痙直型両麻痺児4例およびアテトーゼ型四肢麻痺児1例を対象にして, 筋電計および重心動揺計を用いて時間経過に伴う座位姿勢の動的変化を車椅子と比較検討した. 筋電計測は, 各椅子に患児を座らせ食事動作を開始して30分経過後まで5分間隔で1回20秒連続記録した. 頸部, 胸部, 腰部の各脊柱起立筋およびハムストリングスの両側8か所の筋腹上の表面電...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (11), p.779-780 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 平成2年9月より障害児の椅子の処方と製作を行い, 個別に製作した座位保持椅子により座位姿勢および頭部の安定化が図られ, 80%以上に食事動作の改善ができた. 座位保持椅子の動的バランスを単に視覚的に判断するのではなく, 客観的に評価する方法がないかと考え, 痙直型両麻痺児4例およびアテトーゼ型四肢麻痺児1例を対象にして, 筋電計および重心動揺計を用いて時間経過に伴う座位姿勢の動的変化を車椅子と比較検討した. 筋電計測は, 各椅子に患児を座らせ食事動作を開始して30分経過後まで5分間隔で1回20秒連続記録した. 頸部, 胸部, 腰部の各脊柱起立筋およびハムストリングスの両側8か所の筋腹上の表面電極より活動電位を記録した. 重心動揺計も各椅子座位をとらせ筋電計と同じ条件で記録した. その結果, 痙直型両麻痺児では車椅子で筋活動の増加が最も大きかったハムストリングスと重心動揺の大きさを比べると, どちらも時間経過とともに増加していた. 次に, 座位保持椅子での同筋の筋活動は, 両側とも時間経過とは関係なく少なく, 重心動揺は時間経過とともに減少した. アテトーゼ型四肢麻痺児の場合は, 一定の傾向を示さず大きく変動していたが, 車椅子よりも座位保持椅子の方が変動が少なかった. 以上より, 筋電計および重心動揺計により座位保持椅子の方が車椅子よりも座位姿勢が安定していることが示され, 動的バランスの客観的評価の一助になることがわかった. |
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ISSN: | 0034-351X |