慢性期片麻痺患者における上肢神経伝導速度の検討
「目的」片麻痺患者は日常生活動作において健側を酷使される. 手根管症候群の発生と手関節の過用との関連性も報告されている. 今回, 慢性期片麻痺患者における上肢未梢神経伝導速度を検討した. 「対象」症例1:54歳, 左片麻痺, 補助手. 症例2:40歳, 左片麻痺, 廃用手. 症例3:36歳, 右片麻痺, 廃用手. 症例4:62歳, 右片麻痺, 準補助手. 症例5:68歳, 右片麻痺, 準補助手. 全例男性, 右利きで, 独歩可能, Barthel indexは90~100であった. 「方法」左右の正中神経および尺骨神経の複合筋活動電位と逆行性感覚電位を測定し, 遠位潜時, 伝導速度, 振幅につ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 「目的」片麻痺患者は日常生活動作において健側を酷使される. 手根管症候群の発生と手関節の過用との関連性も報告されている. 今回, 慢性期片麻痺患者における上肢未梢神経伝導速度を検討した. 「対象」症例1:54歳, 左片麻痺, 補助手. 症例2:40歳, 左片麻痺, 廃用手. 症例3:36歳, 右片麻痺, 廃用手. 症例4:62歳, 右片麻痺, 準補助手. 症例5:68歳, 右片麻痺, 準補助手. 全例男性, 右利きで, 独歩可能, Barthel indexは90~100であった. 「方法」左右の正中神経および尺骨神経の複合筋活動電位と逆行性感覚電位を測定し, 遠位潜時, 伝導速度, 振幅について左右差を検討した. 皮膚温は28℃以上とした. 「結果」全例, 正中神経複合筋活動電位の遠位潜時は利き手が非利き手より高値を示し, 手関節-手指での正中神経感覚線維伝導速度は利き手が非利き手より低値となった. 正中神経手関節刺激による振幅は, 複合筋活動電位では症例3, 逆行性感覚電位では症例1を除いてそれぞれ4例で健側が患側より低値を示した. 尺骨神経手関節刺激による振幅は複合筋活動電位, 逆行性感覚電位ともにそれぞれ1例の例外を除き患側が健側より低値を示した. 「まとめ」手関節より末梢で, 正中神経伝導速度は利き手で低下が認められたが, 振幅は健側で低下する傾向が認められた. 尺骨神経では伝導速度, 振幅ともに患側で低下する傾向が認められた. |
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ISSN: | 0034-351X |