高位脊髄損傷児童(T3レベル)に対するWalkaboutつきHKAFOの使用経験

1992年新しい股継手Walkaboutが開発され, わが国でも使用され始めている. われわれは高位脊損児童にWalkaboutつき長下肢装具システムを使用したので報告する. 症例は4歳時, T3レベルFrankel Aの脊損となった12歳の女児である. 車椅子でのADLは自立していたが, 歩行の経験はなかった. 平成7年の夏休み入院にて新装具での歩行訓練を行った. 装具着脱は自力で車椅子にて3分間でできた. 立位保持は数日で, 平行棒内歩行は1週間で可能となった. 退院時交互歩行器で連続平地歩行は50m, 10mの歩行速度は2分50秒となった. またロフストランド杖で15mの歩行が可能であっ...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1997, Vol.34 (1), p.77-78
Hauptverfasser: 川北慎一郎, 出口清喜, 立野勝彦, 浜出茂治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1992年新しい股継手Walkaboutが開発され, わが国でも使用され始めている. われわれは高位脊損児童にWalkaboutつき長下肢装具システムを使用したので報告する. 症例は4歳時, T3レベルFrankel Aの脊損となった12歳の女児である. 車椅子でのADLは自立していたが, 歩行の経験はなかった. 平成7年の夏休み入院にて新装具での歩行訓練を行った. 装具着脱は自力で車椅子にて3分間でできた. 立位保持は数日で, 平行棒内歩行は1週間で可能となった. 退院時交互歩行器で連続平地歩行は50m, 10mの歩行速度は2分50秒となった. またロフストランド杖で15mの歩行が可能であった. 3次元動作解析装置を使用し歩行解析を行った. 体幹の回旋は最大でも約30度, 股関節の角度変化は18度以内で在宅でも自己管理可能なバランスが保たれていた. 高位脊損患者の実用的歩行は依然困難であるが, Walkabout使用により精神的, 身体的に有益な効果が得られると思われた.
ISSN:0034-351X