慢性関節リウマチのQOLとその評価法に関する検討

【目的】昨年, 慢性関節リウマチ(RA)のquality of life(QOL)を検討し, Sickness Impact Profileの136項目から23項目を抽出したModified Sickness Impact ProfileとLife Satisfaction Indexの20項目の計43項目で客観的QOLと主観的QOLの概念を評価できることを報告した. しかし, 43項目は煩雑で, RAで問題である痛みの評価が乏しいため, 代表項目を抽出し, 痛みの設問を加えた全30項目の質問票でRAのQOLを検討した. 【方法】共同研究を行った医療機関に通院中の骨関節疾患患者に調査票を直接配...

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Hauptverfasser: 根本明宜, 田口眞紀, 水落和也, 安藤徳彦, 猪田邦雄, 伊藤良介, 今田拓, 腰野富久, 玉置哲也, 山本博司
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】昨年, 慢性関節リウマチ(RA)のquality of life(QOL)を検討し, Sickness Impact Profileの136項目から23項目を抽出したModified Sickness Impact ProfileとLife Satisfaction Indexの20項目の計43項目で客観的QOLと主観的QOLの概念を評価できることを報告した. しかし, 43項目は煩雑で, RAで問題である痛みの評価が乏しいため, 代表項目を抽出し, 痛みの設問を加えた全30項目の質問票でRAのQOLを検討した. 【方法】共同研究を行った医療機関に通院中の骨関節疾患患者に調査票を直接配布し, 有効回答を得た323名で検討した. 平均年齢65±5.7歳, 疾患はRA 123名, 変形性関節症106名, その他骨関節疾患94名だった. 65歳末満と65歳以上, RAと他の疾患の差異をx^2 検定で検討し, 項目間の検討を多変量解析で行った. 【結果】年齢の差異は, 高齢群で客観的なQOLの低下を認めたが, 逆に主観的QOLの多くは保たれていた. 主観的なQOLのなかで, 肯定的な設問で高齢群と若年群で差が少なく, 否定的設問で高齢群に若干の低下を認めた. 他疾患と比べると, RA高齢群で難易度の高いADLの低下があった. 多変量解析では1軸に客観的QOLと主観的QOLが, 2軸で個人的問題と社会環境が分離された. 【結論】QOLは客観的QOLと主観的QOLに分類でき, おのおのが身体状況と社会的状態, 満足度と自信等に分類されるが, 今回の30項目で両概念を捉えられた. この30項目はQOLの構造を検討可能な内容を含み, 臨床の場でQOLを評価できると考える.
ISSN:0034-351X