純粋語聾を呈したウイルス性脳髄膜炎を疑われた1症例
今回, われわれは純粋語聾を呈したウイルス性脳髄膜炎を疑われた1症例を経験したので文献的考察も含め報告する. 症例は31歳, 男性で公務員. 平成6年9月上旬仏から帰国後, 消化器症状に続いて左顔面神経麻痺, 左片麻痺出現. 10月には耳が遠い印象で話し方がおかしくなってきたため市立札幌病院神経内科に入院. 髄液検査でリンパ球優位の細胞増加を認めウイルス性脳髄膜炎が疑われた. その後左片麻痺の増強を認めたが改善し言語学的精査と治療目的に当院へ転院. 聴覚的言語理解, 復唱, 書取に障害を認め, 非言語的聴覚的理解, 純音聴力は障害されないことより純粋語聾と診断. 外国語のように聞こえる, 短く...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 今回, われわれは純粋語聾を呈したウイルス性脳髄膜炎を疑われた1症例を経験したので文献的考察も含め報告する. 症例は31歳, 男性で公務員. 平成6年9月上旬仏から帰国後, 消化器症状に続いて左顔面神経麻痺, 左片麻痺出現. 10月には耳が遠い印象で話し方がおかしくなってきたため市立札幌病院神経内科に入院. 髄液検査でリンパ球優位の細胞増加を認めウイルス性脳髄膜炎が疑われた. その後左片麻痺の増強を認めたが改善し言語学的精査と治療目的に当院へ転院. 聴覚的言語理解, 復唱, 書取に障害を認め, 非言語的聴覚的理解, 純音聴力は障害されないことより純粋語聾と診断. 外国語のように聞こえる, 短く区切って話すと向上がみられる事実もこれを支持. 純粋語聾の責任病巣として両側側頭葉障害と左側側頭葉障害が考えられているが, 本症例は頭部MRI, 脳スペクトにて右に優位な両側側頭葉萎縮を認め, 従来どおり両側障害か, 一側障害なら右側頭葉障害(右手が利き手であったが)が考えられた. 過去の42報告例中7例が本症例同様, 右側頭葉を主病巣とするものであった. |
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ISSN: | 0034-351X |