ウエルドニッヒ・ホフマン病にみられる脊柱側弯変形

【対象】ウエルドニッヒ・ホフマン病(以下, WH)の良性型の女児3名で, 現在の年齢は11歳, 8歳, 7歳である. 【方法】計測用椅子に座らせ, 座圧分布測定と後方と側方より写真計測を行い, 骨盤の側方傾斜(PLT)と両肩峰―座面距離比(ATI)を定期的に測定した. 測定回数は年3回, 1名は年1回である. 日中の座位の安定と体幹伸展を保障するためにモールド型の肩甲骨下部までの発泡ポリウレタン製座位保持装置(MSS)を作成した. 【結果】開始時年齢が5歳を超えていた2例は開始時すでに骨盤の傾斜があり, 2歳の1例は後弯傾向にあった. その後変形の進行傾向を抑えながらMSSを作成してきた. 1...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1996, Vol.33 (12), p.1012-1012
1. Verfasser: 大津慶子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【対象】ウエルドニッヒ・ホフマン病(以下, WH)の良性型の女児3名で, 現在の年齢は11歳, 8歳, 7歳である. 【方法】計測用椅子に座らせ, 座圧分布測定と後方と側方より写真計測を行い, 骨盤の側方傾斜(PLT)と両肩峰―座面距離比(ATI)を定期的に測定した. 測定回数は年3回, 1名は年1回である. 日中の座位の安定と体幹伸展を保障するためにモールド型の肩甲骨下部までの発泡ポリウレタン製座位保持装置(MSS)を作成した. 【結果】開始時年齢が5歳を超えていた2例は開始時すでに骨盤の傾斜があり, 2歳の1例は後弯傾向にあった. その後変形の進行傾向を抑えながらMSSを作成してきた. 1日の座位時間の大部分をMSSを使用して過ごしてきた. 現在3例ともに通学時または校内で電動車椅子を使用している. 【考察】WH良性型は環境を整えれば, 車椅子で普通学校に通える場合も多いが, 脊柱の側弯変形は車椅子座位を困難とし, 呼吸機能の低下を招く. 体幹の筋力低下のために, 骨盤後傾, 脊柱後弯で座ることで安定を保つために骨盤はどちらかに傾きやすい. これが複雑な変形をきたす最初の要因となる. 初期からMSSで対応することで, この最初の傾きを阻止する可能性がある. 大人用の電動車椅子(スズキMCI 3)の使用は操作時の使用側の胸椎の前方回旋を招く. この操作が座圧にどのような影響を与えるのか今後の検討が必要である.
ISSN:0034-351X