車いすテニス競技における筋傷害の評価
車いすテニス競技前後の血中成分の変動を用いて本競技における筋傷害を評価した. 対象は男性脊髄損傷者7名で, 四肢麻痺が3名・対麻痺が4名だった. 採血は競技前と競技直後に実施し, 筋傷害を評価するための血中成分として, 筋線維から融出してくる酵素のクレアチンキナーゼ(CK)と乳酸脱水素酵素(LDH), 蛋白質の一種であるミオグロビン(Mb)を測定した. また, 健常者とも比較した. Mb・CKは競技後に上昇しているが障害者・健常者ともに有意差なく, また, 両群間でも変化の有意差は認めなかった. LDHは両群ともに有意な変化を認めなかった. Mb・CKの上昇には筋線維の傷害が反映されているが,...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 車いすテニス競技前後の血中成分の変動を用いて本競技における筋傷害を評価した. 対象は男性脊髄損傷者7名で, 四肢麻痺が3名・対麻痺が4名だった. 採血は競技前と競技直後に実施し, 筋傷害を評価するための血中成分として, 筋線維から融出してくる酵素のクレアチンキナーゼ(CK)と乳酸脱水素酵素(LDH), 蛋白質の一種であるミオグロビン(Mb)を測定した. また, 健常者とも比較した. Mb・CKは競技後に上昇しているが障害者・健常者ともに有意差なく, また, 両群間でも変化の有意差は認めなかった. LDHは両群ともに有意な変化を認めなかった. Mb・CKの上昇には筋線維の傷害が反映されているが, 車いすテニスによる筋肉の傷害は非常に小さいものであることが示唆された. LDHはエネルギー源を糖類に依存するような激しい運動のときに重要な働きをし, 今回有意な変化がみられなかったのは, 車いすテニスの運動ストレスの低さと, LDHの分子量が大きいために血中に出てくるのに時間がかかるという二つの点が反映された結果と思われる. 幸いすテニス競技が筋傷害という面から安全なスポーツであることが示唆された. しかし, 残存機能の保護のためにも肢体不自由者のスポーツ競技のトレーニング・運営においては筋傷害の可能性を考慮すべきであろう. |
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ISSN: | 0034-351X |