片麻痺患者と歩行
【はじめに】「抵抗なく歩く距離」Pedestrian Refusal Distance (PRD)とは, そこを歩く50%以上の人々がそれ以上歩きたくないと思う距離であり, 歩行者科学の研究概念である. われわれは片麻痺患者のリハビリテーションにおいてPRDの応用について検討しているが, 第1, 2報では左脳・右脳を中心に検討し, PRDを患者の背景因子から推測した. 今回は患者の背景因子をより多角的に調査し, PRDに及ぼす影響を検討し, さらには屋外をよく歩く群と室内をよく歩く群に分類し, その判別因子を検討した. 【方法】片麻痺患者20名, 年齢78.0±7.4歳を対象に病院廊下, 訓練...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1996, Vol.33 (12), p.932-932 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】「抵抗なく歩く距離」Pedestrian Refusal Distance (PRD)とは, そこを歩く50%以上の人々がそれ以上歩きたくないと思う距離であり, 歩行者科学の研究概念である. われわれは片麻痺患者のリハビリテーションにおいてPRDの応用について検討しているが, 第1, 2報では左脳・右脳を中心に検討し, PRDを患者の背景因子から推測した. 今回は患者の背景因子をより多角的に調査し, PRDに及ぼす影響を検討し, さらには屋外をよく歩く群と室内をよく歩く群に分類し, その判別因子を検討した. 【方法】片麻痺患者20名, 年齢78.0±7.4歳を対象に病院廊下, 訓練室, 風景のよい土の道, 混み合っていない舗装道における環境別の道を歩行せしめ, actual Pedestrian Refusal Distance (aPRD), maximum Pedestrian Refusal Distance (mPRD)を測定した. 患者が最も歩き慣れている病院廊下のaPRDを目的変量とし, 年齢, 性別, 右脳左脳障害, mPRD, ADL, MAS, CMI, SIAS, SDL, QOL, Gait Speedを説明変量とし重回帰分析を行った. さらに屋外歩行のほうがPRDが長い群と屋内歩行のほうが長い群との判別分析を行った. 【結果】重回帰分析において, aPRD=0.30 mPRD-3.50 MAS+19.56 CMI-1.58 age+226.79を算出し, 自由度調整済み重回帰係数0.93であった. マハラノビスの距離による判別は, 相関比0.84, 的中率100%で判別可能で QOL, SDL, Gait Speed, SIAS, MASが影響を及ぼす傾向であった. |
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ISSN: | 0034-351X |