片麻痺患者の全身持久力(第2報)
【目的】われわれは昨年の第32回日本リハビリテーション医学会学術集会において, 「立ち上がり動作」負荷漸増法を設定し, 同法にて健常者20名に対し呼気ガス分析を行い, 評価方法としての妥当性を報告した. 今回は片麻痺患者21名を対象に測定・検討した. 【対象】片麻痺患者21名(男18名, 女3名), 年齢52.2±5.4歳. うち脳出血13名, 脳梗塞5名, くも膜下出血3名. 17名独歩可能. 麻痺側に差異はなく, 平均発症後経過月数35±24.8カ月, ADLは17名自立. 【方法】前回と同様に, 被験者は昇降可能な台に座り, 3分間の安静後, 片手(健側)で手すりを支持して, 毎分5,...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1996, Vol.33 (11), p.815-816 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】われわれは昨年の第32回日本リハビリテーション医学会学術集会において, 「立ち上がり動作」負荷漸増法を設定し, 同法にて健常者20名に対し呼気ガス分析を行い, 評価方法としての妥当性を報告した. 今回は片麻痺患者21名を対象に測定・検討した. 【対象】片麻痺患者21名(男18名, 女3名), 年齢52.2±5.4歳. うち脳出血13名, 脳梗塞5名, くも膜下出血3名. 17名独歩可能. 麻痺側に差異はなく, 平均発症後経過月数35±24.8カ月, ADLは17名自立. 【方法】前回と同様に, 被験者は昇降可能な台に座り, 3分間の安静後, 片手(健側)で手すりを支持して, 毎分5, 10, 15, 20, …回の「立ち上がり動作」をおのおの3分間ずつ連続して行った. 呼気ガス分析は, アニマ社製システムR1500Sを用い, 負荷中は各種モニタを装着した. 中止基準は, 修正Bruce法多段階トレッドミル試験の運動中止徴候に従った. 【結果】AT検出率:71.4%, AT:10.23±1.93, VO_2 rest:3.76±0.79 (ml/min/kg), VO_2 peak:16.99±3.11 (ml/min/kg), 中止理由:筋疲労14, 痙性増強8, ついていけず8, 呼吸苦7, HRmax 1 ECG変化:なし18, VPC2, ST低下1, 総時間:15分1秒±2分20秒. 【考察】片麻痺患者の各種属性を低値群と高値群の2群に分けそれぞれとATの関係を調べた. 連続歩行能力を時間と距離に分け, 1群すなわち低値群を1時間または1 km未満, 2群すなわち高値群をそれ以上とした. 他に, Br. stage 3を1群, stage 4, 5, 6を2群とした. 負荷時間は安静時間も含めて15分未満を1群, それ以上を2群, 発症後月数は12カ月未満を1群, それ以上を2群とした. その結果2群間に有意差を認めたのは, 時間, 距離ともに連続歩行能力であった. 【結語】片麻痺患者21名に「立ち上がり動作」負荷漸増法を施行し, AT検出率:71.4%, AT:10.23±1.93 (ml/min/kg)を得た. AT検出率増加のために今後なお工夫が必要である. 片麻痺患者の全身持久力は麻痺の程度よりも, 連続した歩行距離および時間が重要と考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |