片麻痺患者の筋持久力について

障害者のリハビリテーションや社会生活上で重要な体力(または動作能力)を規定する一つの鍵となると思われる「筋持久力(以下, E=endurance)」について, 前回健常者で検討, 妥当性ある結果を得た測定方法を用いて片麻痺患者の測定を行い, 今回は片麻痺患者の全体的傾向について検討した. 対象は男性片麻痺患者18名で, 年齢は50.6±8.0歳, 疾患は脳出血13名, 脳梗塞4名, SAH 1名, 麻痺側は右8名, 左10名, Br.stageは3が6名, 4が9名, 5が2名, 6が1名, 移動能力は屋外歩行自立15名, 屋内歩行自立3名である. 前回同様に, 被験者は下肢が床に着かない高さ...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1996, Vol.33 (11), p.815-815
Hauptverfasser: 伊佐地隆, 木檜晃, 加勢田美恵子, 鷹野昭士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:障害者のリハビリテーションや社会生活上で重要な体力(または動作能力)を規定する一つの鍵となると思われる「筋持久力(以下, E=endurance)」について, 前回健常者で検討, 妥当性ある結果を得た測定方法を用いて片麻痺患者の測定を行い, 今回は片麻痺患者の全体的傾向について検討した. 対象は男性片麻痺患者18名で, 年齢は50.6±8.0歳, 疾患は脳出血13名, 脳梗塞4名, SAH 1名, 麻痺側は右8名, 左10名, Br.stageは3が6名, 4が9名, 5が2名, 6が1名, 移動能力は屋外歩行自立15名, 屋内歩行自立3名である. 前回同様に, 被験者は下肢が床に着かない高さの台に座り, 静的Eとして膝の最大伸展位保持時間を, 動的Eとして膝屈伸をなるべく速く繰り返しその遂行回数と時間, 最初30秒間の回数をとった. 動的Eの結果から, 筋パワー, 遂行スピードを算出した. 健側にのみ下腿部に体重の8%の重錘を負荷した. その結果, 健側ではすべて健常者と同様に測定できた. 健常者と違って年齢と遂行回数, 時間に相関はなかったが, 静的Eと動的Eに関連がみられた. 握力と筋パワーにも相関があった. 患側では, 麻痺の程度との関連もみられたが, 同じstageでも異なる測定値が得られ, 筋持久力の特異性も示唆された. 健側と患側の違いはスピードの違いであった. 12例で行った心拍数, 心電図, 血圧モニターで大きな問題はなく, 安全性も確認された. 今後他の体力要素との関係をみていく予定である.
ISSN:0034-351X