1歳7カ月で発症した右利き右片麻痺児の発育経過
4歳8カ月の男児で, 家族歴, 発育にまったく異常がなかった. 1歳7カ月の時, 起床時に発症し, 意識障害はないが, 顔面を含む強度の右片麻痺となり, 起立しても右側に倒れた. 第4病日に至り, MRIで左大脳基底核, 被殻から内包線冠に及ぶ梗塞所見を認めたが, ほかの臨床検査等では異常所見はみられなかった. 発症翌日にはストローで水を飲み, 第17病日には跛行ではあるが走るまねもできた. 1~3カ月で右手は使うが不十分で, 下肢については片麻痺歩行著明だが走れるようになった. 5歳に至り, 痙性で右上下肢短縮あり, バビンスキー系反射は陽性で, 知覚障害不明, 言語と知能は異常ないがきわめ...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1995, Vol.32 (12), p.972-972 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 4歳8カ月の男児で, 家族歴, 発育にまったく異常がなかった. 1歳7カ月の時, 起床時に発症し, 意識障害はないが, 顔面を含む強度の右片麻痺となり, 起立しても右側に倒れた. 第4病日に至り, MRIで左大脳基底核, 被殻から内包線冠に及ぶ梗塞所見を認めたが, ほかの臨床検査等では異常所見はみられなかった. 発症翌日にはストローで水を飲み, 第17病日には跛行ではあるが走るまねもできた. 1~3カ月で右手は使うが不十分で, 下肢については片麻痺歩行著明だが走れるようになった. 5歳に至り, 痙性で右上下肢短縮あり, バビンスキー系反射は陽性で, 知覚障害不明, 言語と知能は異常ないがきわめて落ち着きがない(多動). 握力は右2, 左は5で, じゃんけんする時は左手を出す. 箸は左手で持つが有効には使えない. 右手による粗大力は十分可能だが使わず, すぐ左手でものを持つ. 家族は左利きになったと考えているが, 詳細に観察すると決してそうではない. しかしこの症例が完全右麻痺で補助手となりえなかったならば, もっと左手を有効に使用して発育するのではないかと考えられる. また幼稚園に通う前はまったくの自然経過であったが, 最近に至り他の子供達が右手を優先に使うことに気がついて, 自分も右手を使うことに努力しているように思われる. 来年は小学校に入るので学習の影響により, 両手利きになっていくのではないかと思われる. |
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ISSN: | 0034-351X |