脳梗塞とSPECT(第一報)

皮質枝系脳梗塞の経時的SPECT変化と機能予後との関連について報告する. 【対象】1992年1月~1994年12月, 当院神経内科に入院し, 急性期CT画像上大脳皮質から皮質下にかけて長直径3 cm以上の病変を有する脳梗塞片麻痺患者のうち, 発症7日以内(急性期)の他に, 発症から2週前後(亜急性期)と4~5週前後(慢性期)の両期間, またはそのいずれかにSPECT検査を施行しえた33例. 【方法】脳血流量は^^123 I-IMP SPECTを行い, 動脈採血法により前頭葉・頭頂葉・後頭葉各皮質と大脳半球全体, 視床, 小脳について測定した. 機能予後は, 退院までに遠位監視レベルまでの歩行改...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1995, Vol.32 (12), p.959-960
Hauptverfasser: 星野守利, 渡辺広美, 岡山健次
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:皮質枝系脳梗塞の経時的SPECT変化と機能予後との関連について報告する. 【対象】1992年1月~1994年12月, 当院神経内科に入院し, 急性期CT画像上大脳皮質から皮質下にかけて長直径3 cm以上の病変を有する脳梗塞片麻痺患者のうち, 発症7日以内(急性期)の他に, 発症から2週前後(亜急性期)と4~5週前後(慢性期)の両期間, またはそのいずれかにSPECT検査を施行しえた33例. 【方法】脳血流量は^^123 I-IMP SPECTを行い, 動脈採血法により前頭葉・頭頂葉・後頭葉各皮質と大脳半球全体, 視床, 小脳について測定した. 機能予後は, 退院までに遠位監視レベルまでの歩行改善を示したかどうかを基準として評価した. 【結果】(1)対象33例はすべて内頸動脈皮質枝領域の梗塞例で, 17例が予後良好群, 16例が予後不良群であり, 長直径が5 cmを超える大きな病巣ほど歩行予後が不良となる可能性が高かった. (2)患側の大脳半球各部位・視床, および健側小脳に経過を通じた有意な血流低下がみられた. (3)慢性期前頭葉の血流量が多いほど歩行予後が有意によかった. (4)前頭葉・大脳半球・視床の急性期と亜急性期, 小脳の亜急性期において, 患・健側血流差が顕著なほど歩行予後が悪い. (5)特に急性期視床でみられる, 患・健側血流差が著明なほど予後不良となりやすい特性は, SPECT定性法に利用可能と考えられる. (6)経時的血流変化に有意な傾向はなかった.
ISSN:0034-351X