デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィー症児の座位姿勢の変化と座位保持
【目的と方法】デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィー症児(以下, DMD)4例の歩行不能後の座位姿勢の変化を, 経時的に数年にわたり計測した. 体幹の非対称性をあらわす指標として, ヤコビー線と水平線のなす角度, 骨盤側方傾斜角度(PLT), 肩峰―座面垂直距離左右比, 体幹非対称性指数(TAI), 座圧を計測して圧の高い部分をパターン化として分類し, その変化をとらえた. 【結果】3例は後側弯を呈して座圧パターンが2点座骨尾骨型を示し, PLT 15度で急激に非対称となった. 1例は2点左右座骨型から腰推前弯へと進行してPLTは軽度しか増加しなかった. 【考察】脊柱変形のメカニズムを体幹の非対...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的と方法】デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィー症児(以下, DMD)4例の歩行不能後の座位姿勢の変化を, 経時的に数年にわたり計測した. 体幹の非対称性をあらわす指標として, ヤコビー線と水平線のなす角度, 骨盤側方傾斜角度(PLT), 肩峰―座面垂直距離左右比, 体幹非対称性指数(TAI), 座圧を計測して圧の高い部分をパターン化として分類し, その変化をとらえた. 【結果】3例は後側弯を呈して座圧パターンが2点座骨尾骨型を示し, PLT 15度で急激に非対称となった. 1例は2点左右座骨型から腰推前弯へと進行してPLTは軽度しか増加しなかった. 【考察】脊柱変形のメカニズムを体幹の非対称性の進行ととらえると, 後弯型は骨盤の後傾, 側方傾斜の急激な進行により, 非対称性は増大する. 前弯型は両座骨支持から骨盤が前傾するので非対称性はほとんど崩れない. そのために脊柱の初期直立から伸展型へ導くことがよいとされるが, 極端な前弯も問題がある. したがって骨盤は中間位で安定する必要がある. そのためには適切な腰部支持が不可欠である. 腰部支持により腰椎は伸展し, 胸椎は安定して頸椎では軽度の屈曲位へ導ける. また胸ベルトに上半身をゆだねると骨盤前傾を防げない. 骨盤の前傾を防ぐためには, 腸骨稜を骨盤ベルトで押さえ, 座面をサドル状とし安定させるとよい. 車椅子上での座位保持具の使用は不可欠である. |
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ISSN: | 0034-351X |