片麻痺患者の全身持久力-予備的検討:「立ち上がり動作」負荷漸増法の妥当性について

リハビリテーションにおける体力評価において, 運動負荷による全身持久力測定が呼気ガス分析を用いて行われることが多い. その負荷様式については議論があるが, われわれは, 歩行不能な段階からの負荷様式として, 高木の方法を修正した「立ち上がり動作」負荷漸増法を設定した. この方法で呼気ガス分析を行い, 負荷中の状況や, 全身持久力の指標といえるAT (anaerobic threshold)値の検出率などから, 負荷方法としての妥当性につき検討を行った. 今回は方法の妥当性についての検討であるため, 健常者20名(男18名, 女2名)を対象とした. 被験者は腓骨頭の高さの台に座り, 3分間の安静...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 木檜晃, 伊佐地隆, 加勢田美恵子, 鷹野昭士
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:リハビリテーションにおける体力評価において, 運動負荷による全身持久力測定が呼気ガス分析を用いて行われることが多い. その負荷様式については議論があるが, われわれは, 歩行不能な段階からの負荷様式として, 高木の方法を修正した「立ち上がり動作」負荷漸増法を設定した. この方法で呼気ガス分析を行い, 負荷中の状況や, 全身持久力の指標といえるAT (anaerobic threshold)値の検出率などから, 負荷方法としての妥当性につき検討を行った. 今回は方法の妥当性についての検討であるため, 健常者20名(男18名, 女2名)を対象とした. 被験者は腓骨頭の高さの台に座り, 3分間の安静後, 片手で前方の手すりを支持して, 毎分5, 10, 15, 20, 25,・…‥回の「立ち上がり動作」を休憩なしでおのおの3分間ずつ連続して行った. 負荷中は心電モニター, 自動血圧計を装着した. 中止基準は, 修正Bruce法多段階トレッドミル試験の運動中止徴候に従った. またATはVO_2 とVEの相関グラフから求めた. end pointに至った理由は下肢の筋疲労8名, 最大心拍数に達したもの5名, 不整脈出現2名であった. end pointにおけるVO_2 peakの値は27.8±6.4 ml/min/kgであった. AT検出率は70%であり, AT値の平均は17.7±3.12 min/kgであった. VO_2 peak, ATともに日本人の平均値に近く, 2回施行の相関も良好であった. また, AT値の30歳代と40歳代以降との間に有意差がみられた. 上記結果により「立ち上がり動作」負荷漸増法は従来の運動負荷方法と比しても妥当性のある負荷方法と考えられた.
ISSN:0034-351X