上肢における骨, 軟部悪性腫瘍患者の機能予後
上肢における骨, 軟部悪性腫瘍患者で, 患肢温存術を受けた症例の評価を行い, リハビリテーションの立場から社会復帰における問題点について検討した. 対象は, 無病生存中の8症例で, すべて右利きであり, 内訳は骨腫瘍4例, 軟部腫瘍4例で術後平均経過観察期間は7年である. 来院時に, Ennekingらによる1993年版の術後患肢機能評価を行い, Barthel Indexと上肢機能について調査した. 術後患肢機能評価は, 骨腫瘍例で平均63%, 軟部腫瘍例で平均94%であった. Barthel Indexは, 骨腫瘍例の平均96点, 軟部腫瘍例100点であった. 上肢機能の分析でも, 軟部腫...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1995, Vol.32 (11), p.751-751 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上肢における骨, 軟部悪性腫瘍患者で, 患肢温存術を受けた症例の評価を行い, リハビリテーションの立場から社会復帰における問題点について検討した. 対象は, 無病生存中の8症例で, すべて右利きであり, 内訳は骨腫瘍4例, 軟部腫瘍4例で術後平均経過観察期間は7年である. 来院時に, Ennekingらによる1993年版の術後患肢機能評価を行い, Barthel Indexと上肢機能について調査した. 術後患肢機能評価は, 骨腫瘍例で平均63%, 軟部腫瘍例で平均94%であった. Barthel Indexは, 骨腫瘍例の平均96点, 軟部腫瘍例100点であった. 上肢機能の分析でも, 軟部腫瘍例は術前と変化がなく良好であった. 骨腫瘍例はすべて肩関節周囲に発生しており, 右上肢(利き手側)が患肢であり, 書字動作可能は1例のみであった. 食事動作は, 利き手交換した2例のみが箸使用が良好であった. 排便時には, すべて左手(健側)を使用していた. 両手動作であるぞうきん絞りは, 肩関節固定を行った1例を除いて困難であった. 骨腫瘍例では, 上肢の術後患肢機能評価を行うと患肢が利き手側であったため, 上肢のリーチや安定性が低下して得点が低くなったが, 利き手交換訓練を行った症例では社会復帰の状況は良好であった. 【結語】肩関節周囲の骨悪性腫瘍例に対して患肢温存術を行った場合, 利き手を確保することが重要である. |
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ISSN: | 0034-351X |