4.左片麻痺の緩解後四肢麻痺をきたし悪性リンパ腫が疑われた1症例

【症例】78歳, 女性. 【現病歴】平成3年7月15日, 頭痛, 左上肢痛出現し勤医協苫小牧病院整形外科受診. 同月22日左上肢の筋脱力出現し同院に入院となる. 左下肢の筋力も低下. 脊髄MRIにてC5.6の脊髄に高信号強度(T2W2)認め, 髄内腫瘍疑い勤医協中央病院脳神経外科に転院. C5-7のlaminectomy施行し病巣部の生検するも軽度の炎症細胞を認めるのみであった術前よりステロイド投与し左下肢の筋力が回復し始め, 10月上句には杖歩行が可能になりリハビリテーション(以下, リハ)室を3周歩行可能になった. 10月18日頃より四肢の脱力, しびれ感が出現し起立不能となり, 同月24...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (12), p.968-968
Hauptverfasser: 橋本洋一, 吉田栄一, 永倉靖久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】78歳, 女性. 【現病歴】平成3年7月15日, 頭痛, 左上肢痛出現し勤医協苫小牧病院整形外科受診. 同月22日左上肢の筋脱力出現し同院に入院となる. 左下肢の筋力も低下. 脊髄MRIにてC5.6の脊髄に高信号強度(T2W2)認め, 髄内腫瘍疑い勤医協中央病院脳神経外科に転院. C5-7のlaminectomy施行し病巣部の生検するも軽度の炎症細胞を認めるのみであった術前よりステロイド投与し左下肢の筋力が回復し始め, 10月上句には杖歩行が可能になりリハビリテーション(以下, リハ)室を3周歩行可能になった. 10月18日頃より四肢の脱力, しびれ感が出現し起立不能となり, 同月24日には四肢麻痺の状態になる. 脊髄MRIにて新たな病変は認められなかった. 再度ステロイド投与するも症状の改善は認められなかった. 平成4年1月16日, リハ目的に当院リハ科に転院. 【入院後経過】血液生化学検査にてLDHが2,200と高値を示し以後も持続臥床状態のままADL上大きな変化は認めず, 肺炎を繰り返し, 平成4年8月21日, 呼吸不全にて死亡. 【病理組織】C5-6の脊髄全体に崩壊が認められ部分的にシュワン細胞による一方向への再生がみられた. 【考察】臨床上, intravascular lymphomaが疑われたが, シュワン細胞による再生像より最終診断は多発性硬化症と考えられた.
ISSN:0034-351X