9.高時間分解能燐MRSによる筋収縮の研究
【目的】昨年のリハビリテーション医学会でMDXマウスと正常対照マウスの静止筋における燐NMRスペクトルの差異について報告した. 今回は正常ラットのヒラメ筋を用いて, 筋収縮に伴う高エネルギー燐化合物の経時的変化を測定した. 【方法】約6週齢のラット8匹のヒラメ筋を使用し約60Vにて6秒および9秒のテタヌス刺激を行った. Bruker社製の4.7テスラNMR装置を用いて4秒ごとの測定を行いクレアチン燐酸PCr, 無機燐酸Pi, ATPおよび細胞用pHの経時的変化を観察した. 各濃度はスペクトルの面積を積分によって求め, ATPを基準として換算した. なお, 細胞内pHはPiのケミカルシフトから算...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (12), p.965-965 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】昨年のリハビリテーション医学会でMDXマウスと正常対照マウスの静止筋における燐NMRスペクトルの差異について報告した. 今回は正常ラットのヒラメ筋を用いて, 筋収縮に伴う高エネルギー燐化合物の経時的変化を測定した. 【方法】約6週齢のラット8匹のヒラメ筋を使用し約60Vにて6秒および9秒のテタヌス刺激を行った. Bruker社製の4.7テスラNMR装置を用いて4秒ごとの測定を行いクレアチン燐酸PCr, 無機燐酸Pi, ATPおよび細胞用pHの経時的変化を観察した. 各濃度はスペクトルの面積を積分によって求め, ATPを基準として換算した. なお, 細胞内pHはPiのケミカルシフトから算出した. 【結果および考察】テタヌス刺激に際しPCrは減少しPiは増加が認められ, ともに時定数約50秒のsingle exponential curveでfitされた. この時, PCrとPiの変化量を加算した値は回復過程を通じてほぼ0であった. ATPの絶対量は全経過を通じて一定であった. 細胞内pHは安静時および収縮前においては7.17であったが, 収縮に伴い7.21まで有意にアルカリ化が認められた. このアルカリ化はPCr分解に伴うプロトンの吸収によると考えられた. その後PCr, Piと同様に時定数約50秒のsingle exponentialで酸性化がみられ収縮前のレベルまで回復し, PCr再合成に伴う酸性化は収縮前よりもさらに強い酸性化を引き起こした. また, 6秒テタヌスにおけるpHの変化量は9秒テタヌスに比べ少なく, 持続時間に依存することが示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |