1.変形性股関節症の術前,術後のリハビリテーション評価における外転筋筋力と皮膚温の推移
【目的】従来より変股症の治療過程において股関節周囲筋, 特に外転筋の筋萎縮や筋力低下ならびにその改善の意義が大きいことを主張し, 客観的で数量化可能な方法で外転筋筋力を経時的に測定している. 一方, 殿筋領域のサーモグラフィ所見に本症特有の有意性を見出し, 外転筋との関連性を考慮し臨床応用している. 今回は術前, 術後の両者の推移から, リハビリテーション評価における意義と有用性を検討した. 【方法】変股症に対し人工股関節置換術を施行して術後5年以上の20症例を対象とした. 術前および術後に荷重変換器を用いた装置で, 側臥位にて両側同時に等尺性外転筋筋力曲線を描出し, 筋力値, 体重比(K値)...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (12), p.951-951 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】従来より変股症の治療過程において股関節周囲筋, 特に外転筋の筋萎縮や筋力低下ならびにその改善の意義が大きいことを主張し, 客観的で数量化可能な方法で外転筋筋力を経時的に測定している. 一方, 殿筋領域のサーモグラフィ所見に本症特有の有意性を見出し, 外転筋との関連性を考慮し臨床応用している. 今回は術前, 術後の両者の推移から, リハビリテーション評価における意義と有用性を検討した. 【方法】変股症に対し人工股関節置換術を施行して術後5年以上の20症例を対象とした. 術前および術後に荷重変換器を用いた装置で, 側臥位にて両側同時に等尺性外転筋筋力曲線を描出し, 筋力値, 体重比(K値)を測定し, 健側との比を筋力比とした. 同時にサーモグラフィにて立位, 後面で, 左右の殿筋領域の平均温度差を計測し, 両者の経時的推移と臨床症状, 股評価点数との関連性を求めた. 【結果と考察】症状の進展に伴い低下する外転筋筋力は, 術後改善傾向を呈するが, 股評価点数の改善速度ほど速くない. 健側に近づくまでには平均2年~2年6ヵ月を要し, 筋力強化訓練の継続の重要性が理解される. 患側殿筋領域の皮膚温低下も股評価点数の低下と相関性が大で, 手術直前での左右差は0. 8℃~1. 5℃のものが多く, 術後症状改善と共に低温も改善し左右差は減少するが, 股評価点数の改善より遅れる. 【結論】筋力と皮膚温の推移は股関節機能に強く関与し, 臨床症状を理解し得, 評価法として有用性が高い. |
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ISSN: | 0034-351X |