3.変形性膝関節症の病期と歩行時膝モーメントについて
変形性膝関節症(膝OA)における膝関節モーメント(M)は, 立脚期の最大値で評価することが多いが, Mの波形にばらつきがあり, また最大値は瞬間の値であり, 歩行期間中に作用するMを評価するには不十分と考えた. そこで歩行期間中に作用した膝関節Mの総和と平均量について検討した. 【対象と方法】対象は, 全例60歳代と70歳代の女性で, 健常人12人24膝(コントロール群)と, 内側型膝OA患者41人69膝である. 歩行時の床反力と下肢の運動から膝Mを算出し, 単脚期間中の内転, 伸展, 屈曲Mの各総和を求め, その値を単脚支持時間で除し各平均Mを求めた. また立脚期間中の膝内転Mの総和(総内転...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (12), p.940-941 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 変形性膝関節症(膝OA)における膝関節モーメント(M)は, 立脚期の最大値で評価することが多いが, Mの波形にばらつきがあり, また最大値は瞬間の値であり, 歩行期間中に作用するMを評価するには不十分と考えた. そこで歩行期間中に作用した膝関節Mの総和と平均量について検討した. 【対象と方法】対象は, 全例60歳代と70歳代の女性で, 健常人12人24膝(コントロール群)と, 内側型膝OA患者41人69膝である. 歩行時の床反力と下肢の運動から膝Mを算出し, 単脚期間中の内転, 伸展, 屈曲Mの各総和を求め, その値を単脚支持時間で除し各平均Mを求めた. また立脚期間中の膝内転Mの総和(総内転M)も求めた. これらの値と膝の病期(北大分類)との関係を調べ危険率5%未満を有意差ありとした. 【結果とまとめ】総内転Mは, コントロール群とgrade1(G1)はgrade3(G3)とgrade4(G4)に, grade2(G2)はG4に有意差を認めた. 平均内転Mも病期の進行と共に増加し, コントロール群はG2とG3とG4に, G1はG3とG4に, G2はG4に, G3はG4に有意差を認めた. 総内転Mより平均内転Mの方が病期間に有意差を多く有しており, 病期分類に有用であった. 矢状面では, 病期と共に屈曲Mが優勢となる傾向を示したが, 有意差は平均屈曲MのG4と各群間にのみ認め, 他の群間には認めなかった. |
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ISSN: | 0034-351X |