重症Guillain-Barre症候群に対するリハビリテーション

重篤な四肢・呼吸筋麻痺を呈した重症Guillain-Barre症候群(以下, GBS)3症例に対し, 早期より閉鎖運動連鎖:closed kinetic chain(以下, CKC)を考慮しながらの運動療法を施行した. 【症例】症例1は22歳, 女性. 症例2は18歳, 男性. 症例3は52歳, 男性. 全例とも高度四肢麻痺・呼吸筋麻痺および脳神経麻痺をきたす重篤なものであったが, おのおの4・30・18カ月にして歩行可能に至った. リハビリテーション(以下, リハ)開始は全例1週間以内であった. ROM訓練と呼吸訓練から開始し座位訓練へと進めた. その過程で早期からCKC概念を導入し, 荷重...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.889-890
1. Verfasser: 奥憲一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:重篤な四肢・呼吸筋麻痺を呈した重症Guillain-Barre症候群(以下, GBS)3症例に対し, 早期より閉鎖運動連鎖:closed kinetic chain(以下, CKC)を考慮しながらの運動療法を施行した. 【症例】症例1は22歳, 女性. 症例2は18歳, 男性. 症例3は52歳, 男性. 全例とも高度四肢麻痺・呼吸筋麻痺および脳神経麻痺をきたす重篤なものであったが, おのおの4・30・18カ月にして歩行可能に至った. リハビリテーション(以下, リハ)開始は全例1週間以内であった. ROM訓練と呼吸訓練から開始し座位訓練へと進めた. その過程で早期からCKC概念を導入し, 荷重感覚覚醒の目的で足底・手掌に抵抗を加えたり, 足指による地面把握運動やボールを介しての手指・足指の感覚・運動協調や体幹筋の調整を行った. 立位保持が不可能な時期は, 傾斜台にて膝の屈伸を行い, 立位後はDYJOCボードなどをも用いた. また, スムースな歩容獲得のために, 水中訓練も施行した. 【考察】呼吸筋麻痺をきたすような重症GBSでは, 各関節に筋性疼痛によるROM制限が出現し拘縮をきたし, 歩行にまでは至らないことがしばしばある. その意味からも, 早期からのリハ開始が重要である. 症例2・3では, 呼吸器や消化器の合併症によりプログラムの進行に支障をきたしたものの, 発症1週間以内の早期より開始したリハにおいて, CKCを考慮した運動感覚体験が, 神経・筋の協調化に関与し, スムースなADL改善が可能であったと考えた.
ISSN:0034-351X