半側視空間失認とMRI所見
左側半側視空間失認の病態の重症度とMRI検査によるT2強調画像を中心に病巣部位とWaller変性の所見を検討し, 併せてADLのレベルや構成失行, MIなどの合併率についても検討を加えて, 視空間失認病態について考察を加える. 対象症例は右被殻出血19例, 右中大脳動脈分枝部閉塞19例, 右内頸動脈6例, 右視症出血3例, 多発性脳梗塞, 右内頸動脈各2例, 右皮質下出血および脳動脈瘤術後各1例の合計53例である. 視空間失認の分類は福井による分類に従い, 軽度, 中等度, 重度に分けられた. ADLは寝返りの可否, 車椅子への移乗の可否, トイレ洗面動作の可否ならびに10m独歩の可否を中心に...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.841-842 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 左側半側視空間失認の病態の重症度とMRI検査によるT2強調画像を中心に病巣部位とWaller変性の所見を検討し, 併せてADLのレベルや構成失行, MIなどの合併率についても検討を加えて, 視空間失認病態について考察を加える. 対象症例は右被殻出血19例, 右中大脳動脈分枝部閉塞19例, 右内頸動脈6例, 右視症出血3例, 多発性脳梗塞, 右内頸動脈各2例, 右皮質下出血および脳動脈瘤術後各1例の合計53例である. 視空間失認の分類は福井による分類に従い, 軽度, 中等度, 重度に分けられた. ADLは寝返りの可否, 車椅子への移乗の可否, トイレ洗面動作の可否ならびに10m独歩の可否を中心に判定基準とした. 半側視空間失認の軽度の症例ではADLの良い症例が多く, 視空間失認が中等度もしくは重度の症例ではADLの低下した症例が多くみられた. また重症の視空間失認例では構成失行やMI(mptor impersistence)の合併率は軽度例に比し明らかに高い所見を示した. Waller変性の伸展度を中脳大脳脚の部位での変化を中心に検討すると, 右被殻出血例および中大脳動脈分枝部閉塞例ともに, 視空間失認の軽度例では大脳脚中央もしくは外側1/3にWaller変性が比較的限局するが, 重度例では広範かつ明瞭な症例が多かった. また重度例では大脳病巣が広範囲でかつ多病巣のことが多く, さらに大脳脚, 橋におけるWaller変性は明瞭な例が多く認められた. |
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ISSN: | 0034-351X |